sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

学校が守ってくれない・新聞に掲載されていた少女の苦悩

 宮崎市立中1年の女子生徒が2019年1月、いじめを理由に自殺を図っていたことが明らかになりました。市教委はいじめ防止対策推進法上の「重大事態」として第三者委員会を設置。女子生徒が同級生に「きもい」と言われるなどとした複数のいじめを認定し、自殺企図の要因となったする報告書をまとめました。女子生徒は自殺直前まで追い詰められて思いとどまりましたが、心理的苦痛から教室に通えなくなり、以降は別教室で登校を続けて今春卒業。報告書はいじめを把握しながら、対応が遅れて自殺企図を止められなかった学校の責任を指摘してます。

 「先生から「あなたを守る」と言われたことはなかった」。3月に中学を卒業した15歳の女性は取材に対して、入学直後に始まったいじめやその後の学校の対応について語りました。

 「アナフィラキシーショックに感染するから近づくな」「きもい」。いじめは18年5月ごろから始まったそうです。女性や報告書によると、いじめは18年5月頃から始まって、箒で足をたたかれ、自分の美術セットを汚いもののように扱われたことや、清掃中に霧吹きでスカートを汚され、踊るように強要されたこともあったそうです。

 

※秘かに自殺準備

 

 18年11月にあった学校のいじめ調査アンケートで、いじめを受けていると回答。自由記述では「いっそのこと死んでしまいたいと思ったことは何度もあります」と訴えたそうです。しかし学校は解決には乗り出さなかったということです。19年1月、自宅でひもや包丁を用意して自殺の準備をしたといいます。思いとどまったのは家族に気づかれそうになってやめるなど、偶然が重なったからに過ぎないといいます。「行けばまたいじめられる」。そう考えると加害生徒らがいる教室に通うのは無理だったそうです。春からいじめられていたことを両親に打ち明けて、別室登校ことにしたということです。しかし、その後の学校の対応は更に冷たいものだったそうです。

 

 

※相談室で一人っきり

 

 

「刑務所にいるような気持だった」。女性は中学2年の春から秋まで校内の相談室で一人きりで過ごさなければならなかった半年間をそう振り返っています。旧友も先生もいないため授業を受けられず、参考書を持参して、ひたすら自習したそうです。先生は1日に数回見回りに来るのみ。時折訪れる市教委職員は看守のようで、やり取りはテレビで見る取り調べのようだったと証言しています。

 

※励ました父の言葉

 

 同級生にいじめられたうえ、なぜこんな仕打ちまで受けなければならないのか。学校は「人手が足りない」と釈明したそうですが、朝から夕方まで一人で過ごすのはつらすぎたと話しています。登校前に涙を流したこともあったそうです。それでも父に「負けてはいけない」と励まされ、高校進学のための勉強をすることだけを考えていたといいます。中2の秋からは女性同様、教室に通えないほかの生徒数人と机を並べたそうです。相変わらず自習中心だったそうですが、それでも学校に行き続けたのは「いじめの連鎖を断ち切るため」だったそうです。学校にはほかにもいじめがあったため「新たなターゲットは作らせない。私が逃げないことで、いじめをしている人達にそう伝えたかった」そう話しています。

 女性は大半の学習機会を失ったにもかかわらず、今春、宮崎県内の高校に合格。それでも高校生活には楽しみよりも不安が先立つといいます。中学で級友と触れ合えなかったため人間関係を築けるか自信が持てないそうです。市教委は29日、第三者委員会がまとめた報告書を宮崎市長に提出。報告書によると、1年生当時の学級担任はアンケートで女性のいじめ被害を知った後も上司に報告していなかったといいます。報告書はこうした経緯を踏まえ「学校は初期段階で情報共有に不十分な点があり、組織的対応が遅れた」と指摘。「課題として重く受け止めなければならない」と求めています。

 取材に対して。宮崎市教委は「女性の苦しみに気付くのが遅く、その後の対応も不十分だった」と話し、中学の校長も「寄り添えてなかった」と謝罪しました。学校の責任を認める報告書が出されたとはいえ、女性と両親は「第三者委員会と話したことはなく報告書には偏りがある。公平性・中立性が保たれた再調査を」と訴え、31日にも市長に再調査を求める依頼書を出すそうです。

 

 このニュース、いじめ問題が噴出する度に学校の対応の遅さ、教育委員会の対応のまずさが指摘されることが多いですが、この事件も、それに当てはまる事案ということになるかと思います。中学生というと、部活やクラスメイトとの交流から、人間関係が大きく広がる時期ですが、大切な人間関係を築いていく時間を一人で相談室で過ごさせたというのは、明らかに学校の怠慢です。また、いじめ加害者に対する指導もきちんとなされていないのではないかと思います。人手が足りないとか、そんなことは、いじめ被害で苦しんでいる被害者にとってはどうでもいいことなんです。苦しんでいる立場の人間からすれば、毎日が生きるか死ぬかの戦いに明け暮れている状態であって、必死で戦っている被害者に対して何も手を差し伸べないというのは、見殺しにしているのと同じです。

 この女性はほとんど独学で勉強して、高校合格を勝ち取ったということですが、せめてこれから先の人生が落ち着いた平穏な毎日が送れますようにと願っています。

 それともう一つ私が伝えたいのは、いじめを受けた被害者が別室登校しなければならないというのはおかしいです。いじめ加害行為を働いたものがそれなりのペナルティーを受けるのが当然かと思います。人の人権を踏みにじることができるんですから、自分の人権が踏みにじられても文句を言わないくらいの度胸を持っているんでしょうから、被害者が味わったのと同じ苦しみを与えるべきです。