sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

福島原発避難者に対するいじめ

 今日の新聞の社会面に、福島原発事故で避難している小学生が、理不尽ないじめにあっているという記事が掲載されていました。
 2011年の東京電力福島第一原発事故後に福島県から横浜市に避難した男子生徒(13)が、転校先だった横浜市立小学校でいじめを受けていた問題で、生徒側の代理人の弁護士が15日、市役所で記者会見を開き、「福島の人はいじめられると思った」「何回も死のうと思った」などと記された生徒の手記を公表しました。生徒は現在中学1年になりましたが、いじめをきっかけに不登校が続いているということです。

 手記は生徒が小学6年生だった15年7月に書いたものでした。「今まで何回も死のうと思った、でも、震災でいっぱい死んだから、辛いけど僕は生きると決めた」「ばい菌扱いされて、放射能だと思って、いつも辛かった」などと苦しい心境が綴られています。
 会見した飛田桂弁護士らによると、生徒本人が「震災で多くの人が亡くなったので、自分はいじめを受けても自殺しなかったことを伝えたい」と、手記の公表を希望したそうです。全国的にじめ自殺が絶えないことから、「いじめ自殺がなくなればいい」という思いもあったそうです。
 いじめを調査した第三者委員会による報告書などによると、原発事故後の2011年8月、小学2年生だった生徒は、東日本大震災で職を失った両親とともに横浜市自主避難し、市立小学校に転入しました。
 直後から同級生らから名前に「菌」をつけて呼ばれ始め、5年生になった14年4月以降は「プロレスごっこ」と称して、集団で暴行を受けるようになったそうです。5月ごろには「東電から賠償金をもらっているだろう」などと言われ、約10回にわたりゲームセンターでの遊行費などを支払ったそうです。
 生徒は自宅にあった生活費を持ち出しており、飛田弁護士らによると、その額は150万円に上るそうです。第三者委員会は暴力などをいじめと認定。飛田弁護士らは、いじめの背景に「原発事故への無理解があった」と指摘しています。

 生徒の両親は、手記とともに声明を公表。生徒は現在、フリースクールに通っていることを明かし、「一人になるのはまだ怖いようですが、元気に通えています。今はそれだけでいいと思っています。」と記しています。そのうえで「最も悔しいのは、子供が5年生になり、お金を持ち出していた初期段階で、学校はその事実を把握していたにもかかわらず、電話一本の連絡もしなかったこと」などと心境を明かしています。
 学校側は、両親からいじめ被害の相談を受けた後も、「加害者と被害者の言い分が異なる」(市教委)などとして1年半にわたって対応していなかったそうです。第三者委員会は報告書で「教育の放棄に等しい」と厳しく批判しています。
 弁護士の会見を受け、市教委もこの日、記者会見を開きました。岡田裕子教育長は「努力が足りなかった。生徒を苦しませたことは申し訳ない」と謝罪。今後、調査を実施したうえで、校長らの処分を検討するということです。
 文科省児童生徒課は「学校や市教委が適切に対応しなかったことは極めて遺憾。文科省として指導していきたい」とコメントしています。

いじめを受けていた男子生徒の手記ですが
①お金持ってこいと言われた時、すごいいらいらと悔しさがあったけど、抵抗するとまたいじめが始まると思って、何もできずにただ怖くてしょうがなかった
②賠償金あるだろうといわれ、むかつくし抵抗できなかったのも悔しい
③●●●(加害者名)○○(加害者名)にはいつも蹴られたり殴られたりランドセルを振り回される、階段では押されたりして、いつもどこで終わるかわかんなかったので怖かった。
④ばい菌扱いされて、放射能だと思って、いつも辛かった。福島の人はいじめられると思った。何も抵抗できなかった
⑤今までいろんな話をしてきたけど、学校は信用してくれなかった
⑥何回も先生に言おうとすると無視されてた。

ということが書き綴られています。東日本大震災とその津波で多くの人が命を失い、福島第一原発の事故で住んでいた故郷を遠く離れなくてはならなくなり、その避難先で、さらに理不尽ないじめや差別に苦しむという、まるで悪夢を見ているかのような話ですよね。普通、苦しい思いを抱えて転入して来た子供に対しては、先生が率先してクラス・学年にうちとけることができるように心配りをするのが、担任の責任だと思いますし、校長もそう言った指導をする立場にあるはずなのに、生徒の話では信用してもらえなかったと訴えています。教育委員会も1年半もの間、何も対応策をとらなかったのも職務怠慢ですよ。
 生徒は原発事故と東日本大震災・そして大津波によって大切なものを失って、避難してきたのに、その避難先でさらにいじめで苦しまなければならないとは、いじめに加わった加害者は、遊び半分・冗談半分だったつもりかもしれませんが、やられた側には、一生禍根を残すことになりますよ。許せないですね。