広島県の三次と島根県の江津を結ぶ三江線。全線にわたって、江の川に沿って走る風光明媚な路線で、四季折々の美しい風景の中を走っていく路線ですが、沿線の過疎化、少子高齢化の進行が著しく、今後の収支の改善も見込めないとして、沿線の自治体と協議を行ってきましたが、地元との合意も受けて、来年の９月をめどに廃止されることが決定しました。私としては、素晴らしい景色の中を走っていくだけに、廃止はとっても残念です。今後はバスに転換されるということですが、正直、もったいないという気がします。来年の９月の廃止で全線開通した昭和50年から、42年の歴史に幕を下ろすことになります。
ただ、私は収支の改善が見込めないということが廃止の理由ですが、同じく沿線の過疎化の進行が著しい木次線は観光路線としての道を歩んでおり、亀嵩の駅そばや、出雲坂根の三段式スイッチバク、出雲坂根→三井野原間で車窓に見ることができるおろちループなどの見どころを売りにして、観光列車奥出雲おろち号を運転するなどの経営努力が見られますが、なぜか三江線に限っては、積極的な観光振興が取られませんでした。例えば、新幹線の接続駅である広島から直通の展望列車を走らせるとか、JR東日本が五能線で運行しているリゾート列車を走らせるなどの観光振興をもっと積極的に行てもよかったのではないかと思います。三江線から江の川を眺められるのもあとおよそ1年。もう一度機会があれば乗りに行ってみようと思います。
