今日の新聞の国際面で大きく取り上げられているのが、フランスの大統領選挙の行方。日本時間のこの後午後3時から、一回目の投票が行われるということですが。当初、最有力候補とみられていた、極右政党のフランス国民戦線党首、マリーヌ・ルペン氏に対して、左翼政党のジャンリュック・メランション氏・中道系のエマニュエル・マクロン氏・共和党のフランソワ・フィヨン氏が激しく追い上げて、4人による激しい選挙戦が繰り広げられてきました。
3月下旬に行われた世論調査によると、有権者が最重要視するのが雇用対策だそうです。フランスの失業率はEU加盟国平均の8%より高い10%で、御ランド大統領は景気回復と失業率改善に失敗し、再選出馬断念に追い込まれました。このため、各候補とも、景気・雇用対策jに力を入れているそうです。
マクロン氏は600億ユーロ(約7兆円)の歳出削減をする一方で、エネルギーやインフラなどへの投資を加速させる構造改革のほか、法人税率の8%引き下げや週35時間労働時間抑制の緩和など、企業活動の活性化を促す政策を掲げています。
フィヨン氏も週35時間労働制の廃止や定年退職年齢の62歳から65歳への引き上げ、失業給付金の削減による再就職促進などを訴えています。
ルペン氏は法人税率引き下げに加え、輸入品への課税を通じて国内企業の活性化を図るほか、フランス人の雇用を守るため、外国人の雇用への課税も掲げています。
フランスではテロ事件が相次いで発生し、それが移民排斥などの動きとして表れています。そして、もう一つ、注目度が高いのが、フランスがEUから離脱するのかどうかという点でしょうか。ルペン氏はEUからの離脱を鮮明に打ち出し、マクロン氏はEU残留を主張しています。
ルペン氏は自国第一主義を掲げEU離脱を問う国民投票の実施を掲げるなど、EU批判の急先鋒に立っています。また、メランション氏も権限交渉の結果次第では、EU離脱を問う国民投票の実施も辞さない構えを見せています。親EUのマクロン氏は「結束した欧州」を訴えて、欧州統合推進を訴えています。フィヨン氏は親EUですが、ルペン氏と同様ロシアとの関係改善に前向きな立場を示し、ウクライナ問題に絡む制裁でロシアと対立するほかのEU明国との間で足並みが乱れる可能性が指摘されています。第一回投票で有効投票数の過半数を獲得する候補がいない場合、上位2人が5月7日の決選投票に進みます。1965年以降のすべての大統領選挙で決選投票に持ち込まれており、今回も決選投票になるとみられています。