今日の新聞に掲載されていた記事です。ナイジェリアとその周辺の計4か国で、子どもを使った自爆テロが急増しているということです。ユニセフが今月発表した報告書で明らかにしました。イスラム過激派組織ボコ・ハラムが拉致した少女らに自爆を強制しているとみられ、ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のポワリエ氏は、「紛争における子供の利用の中で最悪のものだ」と批判しています。
ユニセフによりますと、ナイジェリア・カメルーン・チャド・ニジェールで2014年から今年3月末まで、ボコ・ハラムの自爆攻撃に使われた子供は計117人に上るそうです。昨年一年間では30人で、うち80%以上が少女だったそうです。今年1~3月に限れば、27人が自爆テロの「実行犯」となり、昨年同期の3倍増だそうです。
ボコ・ハラムはナイジェリアを拠点に活動しています。過激派に詳しい南アフリカの専門家らによると、ナイジェリア軍の掃討作戦で支配地域を失う中、15年ごろから市場など警備が手薄な「ソフトターゲット」を狙うようになったそうです。さらに、警戒されにくい子供を利用した手口を多用するようになったそうです。
少女らを脅迫して自爆攻撃を強制しているほか、腹に爆弾を装着させて、遠隔操作で起爆させているケースも多いとみられています。
今月15日で、北東部チボクの学校から200人以上の女子学生が拉致されてから3年が過ぎましたが、大半は解放されないままです。先月下旬にもナイジェリアとカメルーンやチャドとの国境付近の村から少女ら22人が連れ去られるという事件も起きています。
ボコ・ハラムはこうした少女に対し、自爆攻撃だけではなく、戦闘員との結婚も強制しているとみられています。
一方、ボコ・ハラムに拉致された女子学生らが解放後も、長期間に及ぶ軍の取り調べを受けていることに懸念が示されています。
ボコ・ハラムとは、2002年にナイジェリア北東部ボルノ州で形成されたイスラム過激派組織で、組織名は現地語で「西洋の教育は罪」を意味するそうです。キリスト教徒が人口の半数を占めるナイジェリアのイスラム化を目指し、全土へのシャリア(イスラム法)導入を主張し、当初は国際テロ組織アルカイダと協力関係にありましたが、15年にアルカイダと敵対する過激派組織イスラム国支持を表明しています。