横浜市に、福島原発事故の影響で自主避難してきた中学1年生の男子生徒がいじめを告発して以降、福島から転入した子供たちが、理不尽ないじめにあって苦しんでいる実態が明るみに出ましたが、この原発避難者に対するいじめ、何も子供たちの世界に限った話ではないようです。
賠償金があるから、仕事をさせない・東電に文句を言えば、賠償金が支払われるので、給料を払う必要がない・放射能がうつる・車を傷つけられるなどの悪質ないじめが横行しているそうです。
賠償金がはいるから云々というのは、偏見ではないかと思います。福島から自主避難した人たちだって、住み慣れた故郷を離れたくなかっただろうと思いますし、賠償金なんかより何気ない日常を返してほしい。そういう思いでおられるのではないかとおもいます。
これは、私が以前ブログに書いたことですが、息子に障害があって、私は確かに息子に対して支払われる療育手当を受け取っています。しかし、小学校の保護者から言われたのが「あなたたちはいいわね。療育手当がもらえて」という一言。私は息子が障害を持って生まれてきてほしいと、ただの一度だって思ったことはありません。受け取っている療育手当も、いずれ私たちが年老いて息子を残して旅立っていかなくてはならなくなった時に、息子が困らなくて済むようにと、毎月息子の口座に貯金しています。そういったことを何も知らない人が言う妬みややっかみと同じなのではないかと思います。
この大人のいじめの縮図が子供たちのいじめなんだろうと思います。いつから日本人にはこのような心貧しい思想が広がったんでしょうか。
福島から避難した人たちは「自分が福島から来たとは言えない」と話しています。自分の出身地を名乗ることができないなんて、おかしいと思いませんか。福島から来た人たちはそんなに汚らわしい存在なんですか？同じ日本人でしょう？同じ人間でしょう？だったら、こんなくだらない差別はやめて、お互いが手を取り合って暮らせるようにしていきましょうよ。
福島原発事故で自主避難した人たちは、なにも好き好んで原発事故に巻き込まれたわけではありません。自分が原発事故の被害者だったらどうでしょう。もっと自分がその立場だったらという視点で、大人として規範のある行動をとってもらいたいです。自分がもし避難者だったらどうかということを考えたら、このような理不尽ないじめなんかできないはずです。
追記：恐らくいじめに荷担している側は、被災地の現状を何一つ知らないから、こういった冷徹な態度ができるんだろうと思います。あの悲惨な被災地の様子をいちどでも見たら、とても福島出身の人たちに、いじめを行うといった、人間として、あるまじき行為はできないと思います。
一度被災地に行って、自分の目でどんなことがあのときに起きていたのか、見てきなさい。そう思うのは私だけではないと思います。
