sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

私の怪談話

 あれは、私が高校2年の夏休みの時。私はどうしてもCDコンポが欲しくて、新聞配達のバイトをしてました。朝4時に起きて、新聞販売店に行って、新聞の束を受け取り、自転車に積んで一番最初の家に向かって自転車をこいでいる時でした。途中にお墓があって、ちょっと真っ暗な中で見るのは薄気味悪いなと思いつつ、毎日そこを通って配達に向かってました。
 そしていつものように自転車をこいで配達に向かっていると、いつものお墓の上で、何やら揺らめくものが浮かんでいるのが見えました。ちょうどその時は満月だったので、月の光が田んぼに張られた水に反射しているんだろうとも思いましたが、よくよく考えてみると、お墓の周りには、反射した光を写す壁などはなく、何だろうと思ってしばらく見ていると、ふーっと上空に舞い上がって消えていきました。「ひょったして人魂?」とも思ったので、気味が悪くなって猛スピードで自転車をこいでその場を離れました。このことを配達を終えて家に帰って朝食を食べながら話すと、みんな一様に「それはなんかの見間違えだ」というので、私も「そうかなぁ…」と思いつつ、午前中に行われる吹奏楽部の練習のため、学校に向かいました。そしてその夜、眠りについていると、寝静まった家に響く足音らしき物音。それはだんだん大きくなり、私の寝ている部屋の前で止まりました。「誰かいるのか」と思ったその瞬間、体が硬直して動かなくなりました。金縛りにあったんです。体が動かない私にその足音は近づいてきて、やがて耳元で何やらささやく声が…。最初は何を言っているのか聞こえなかったんですが、よくよく聞いてみると「お前を迎えに来たよ…」と言っていたのでした。あちらの勝手な都合で迎えに来られても、私も困るので、父が祖父の命日の時などに唱えているうる覚えのお経を唱えると、ふっと体が軽くなり、目を開けられるようになって、周りを見渡しましたが、目に見えていたのは、いつもと変わらない私の部屋。このことを翌日部活の中で話をすると、「お前、何かに取り憑かれてるじゃないか?お前、霊感ないって言ってたけど、本当は霊感があるんじゃないか」などと言ってました。新聞配達の時に見たあの人魂らしきものが、ひょっとしたら、何かを呼び込んだのかもしれません。そしてこの後、私が就職してすぐの正月連休明けに再びこの恐怖を味わうことになるのでした。