久しぶりに乗ったSLやまぐち号。勇ましい汽笛を新山口駅構内にとどろかせて、ゆっくりと新山口駅を離れて行きました。普段乗り慣れた山口線のディーゼルカーとは違って、エンジン音が全くしなくて、聞こえてくるのはC57-1が吐き出す蒸気の音や汽笛、カタンコトンというリズミカルなジョイント音と、床下に積まれた発電機の音のみ。そして、SLだからそんなにスピードは出さないだろうと思っていたら、意外と早いスピードで駆け抜けていきます。
しかし、山口を過ぎて宮野を通過すると、山口線最大の難所、木戸山峠越えにかかります。ここから篠目の手前までは、ずっと25‰の急こう配が続いて、格段にスピードが落ちます。そして、のぼり勾配が続く津和野行きがほっと一息つくのが仁保。ここで対向の列車と行き違いをして、再び大きな汽笛を山間にとどろかせていくつものトンネルをくぐりぬけて、篠目へと向かいます。この間にあるのが山口線最長のトンネル、田代トンネル。このトンネルはおよそ1.9キロあって、真っ暗なトンネルの中を走る様子は、夜汽車みたい。窓を閉め切っていても、ばい煙が車内に入り込んできて、昔のSL全盛時代を実感した私です。こうして、急こう配を登り切ったやまぐち号は篠目駅に入線しました。
厳しい峠越えの最中です。ここからは山口市を代表する山、鳳翩山(ほうべんざん)が見えます。
各客車の様子です。車両ごとに中の内装は違っています。この客車も来年の秋には新型車に置き換わり、牽引機関車もD51に変わります。今の姿は来年秋には見られなくなりますので、早めの撮影をお勧めいたします。
最後尾の展望デッキにて。宮野→仁保間でい一番最初のトンネルをくぐります。ここより先、篠目まではトンネルが断続する区間になります。
トンネルを抜けて仁保の駅構内に入っていきます。
仁保では停車時間があるので、みんな駅構内に出て、撮影タイム。やっぱりSLは人気があるんですねぇ。
展望デッキは、子供たちの人気の場所です。
峠を越えて、徳佐盆地へと入ってきました。
篠目駅停車中の一コマ。
この後、徳佐盆地の比較的なだらかな区間を快調にスピードを上げて走り抜けていきます。