阪神・淡路大震災とオウム真理教の引き起こした地下鉄サリン事件で幕を開けた1995年は景気が大きく下振れし、車の生産に関しても生産速度をそれまでの半分に落としても、定時間操業が維持できない状態となり、残業はすべてカットされ、定時間収入しかなくなった状態で、手取りは10万円以下。私はこの当時車をファミリア1500CC3ドアハッチバックから、プロシードマービーに買い換えたばかりで、ローンもひかれて7万前後の手取りでした。この時期が私の勤める会社にとって90年代で一番大きな試練のときだったかもしれません。
一方、前年より活動を始めたOBバンドは次の発表の場として、養護施設への慰問ということに決まりました。私たちが訪問することになった施設はいろいろな事情があって両親と暮らすことが出来ない子供たちが入所している施設で、訪問させて欲しいとお願いしに担当の施設長の方にお会いすると、喜んで受け入れてくださいました。選曲するに当って、先ず子供受けする曲をセレクトすることから始まりました。みんなで考えた結果、ドラえもん・スマップのヒットメドレー・岡本真夜さんのTOMORROW・昨年の文化祭でも演奏したスピッツのチェリー・セーラームーンのテーマソング・そして、ジャズの名曲ともいわれるイン・ザ・ムードを選んで、五月下旬の本番に向けた練習が始まりました。
今回の発表は在校生の力を借りることが出来ないので、OBバンド単発での発表となります。人数がどうしても文化祭のときよりも少なくなるので、みんな音を割らないように大きな音を出すことが求められ、特に主旋律の演奏は伴奏に負けないように演奏しなければならないので、けっこう大変でした。そして、週末ごとに集まって練習をして、五月下旬の発表本番を迎えたのでした。
