年が明けて1996年。この正月休みも列車に乗ってどこかに出かけるということはなく、のんびりと自宅で新年を迎えました。前の年に起こった阪神淡路大震災やオウム真理教による地下鉄サリン事件などの影響による不況風もなんとか治まって次第に工場の操業も上向いていったころです。会社では一時生産が中止になっていた車種がモデルチェンジをして復活すると言うことで、その準備に忙しくなっいたのですが、夜勤が復活するということはなく、生産の速度を速めて増産に対応すると言う方針が採られることになっていました。一方OBバンドの活動のほうもどのような活動をするのか話し合いが行われて、全体的な活動は文化祭への参加を第一にして活動すると言うことが決まりました。その間には引退した吹奏楽部員も加わることになっていたのでにぎやかに楽しくバンドの活動が出来そうな感じがしてました。
そして24歳にもなると恋人と言うものもいてもおかしくない年頃ですが、清田が同じOBバンドの真知子ちゃん（仮名です）と付き合い始めて、けっこう楽しそうにやっているのを見ながら、俺も彼女がいたらな～なんて考えてました。ちょうど付き合っていた彼女とは別れたばかりだったのでちょっと羨ましい感じがしてました。そんなこんなで4月になって清田から「お前、今付き合ってる彼女とかおるんか？」と聞かれたので「今はおらん」と答えると「それじゃ合間から合わせたい人がおるからちょっと付き合わんか？」と言うので、ちょうど私も暇こいてたので暇つぶしがてら真知子ちゃんが勤めている個人経営の病院の近くのファミレスに車を走らせてついていくと、清田と真知子ちゃんと知らない女が座ってました（後の元嫁になる人物）。なんでも同じ病院に勤める準看だそうで、勤めだしたのも同じころだそうです。真知子ちゃんが私がプロシードマービーに乗って運転しているのを偶然見かけたときに彼女も、真知子ちゃんの車に乗っていて「ちょっとかっこいいじゃん」とかいう話になって会って話がしたいということになって、紹介されたのでした。そしていろいろ4人で話しをして、また今度会おうということになってその場は別れたのですが、一応礼儀として連絡先は伝えておきました。こうして1996年は始まったのでした。
