アメリカのトランプ大統領が発表した、イランの核合意からの離脱。イランの核合意には重大な欠陥があるとして、離脱を表明したわけですが、この離脱には当事者のイランはもとより、ヨーロッパ各国などからは懸念や反対の意見が多数寄せられています。イランはほかの5ッ国との核合意を尊守すると明言する一方で、ウラン脳服を再開することもあり得ると、強くアメリカを非難しています。その一方でイランと対立するイスラエルは核兵器の所有を容認するという、ダブルスタンダードを見せるアメリカのトランプ政権。なぜオバマ前政権が主導して合意したイランの核合意をいまさら破棄する必要があるのか、アメリカは中東地域の安定化を阻止したい何か理由があるんでしょうか。例えばアメリカの軍需産業の保護とか…。
その一方で6月12日にシンガポールで開催されることが決まった米朝首脳会談。アメリカは北朝鮮の完全な非核化が確認された後に経済制裁を解除するという方針を示していますが、北朝鮮は段階的に非核化を実現し、一つずつクリアしていく段階で、経済制裁も段階的に解除するように主張しています。専門家はこの米朝首脳会談は一筋縄ではいかないという見方が主流となっています。北朝鮮とアメリカが非核化を巡って、どこで折り合いをつけるのか、アメリカは中途半端な妥協はしないとボルトン氏が明言していますし、トランプ大統領の側近は強硬派で有名な人物が顔をそろえているわけで、最悪、会談は決裂する可能性だってあります。
アメリカは北朝鮮がこれまで数々の約束を反故にしてきたと言っていますが、アメリカも大量破壊兵器をイラクが保有していると言っておきながら、イラクに大量破壊兵器は見つからず、イラクが大量破壊兵器を保有しているとの情報は過ちだったという誤ったイラク戦争へと突き進んだ過去もありますし、オバマ政権が取りまとめたイランの核合意に関しても、いとも簡単に翻しているような感がします。
不安定さを増す中東情勢に一カ月後に迫った米朝首脳会談。一体どのような結果が待っているのでしょうか。平和的な解決策が見いだせればいいんですが…。
