先日、東日本大震災の巨大津波で大勢の児童と先生が犠牲になったことを受けて、遺族23人が損害賠償を求めて起こした裁判。仙台高等裁判所でおよそ14億円の損害賠償を命じる判決が下されましたが、被告である石巻市は判決を不服として、議会に上告決議案を提出し、この決議案は賛成多数で可決され、最高裁で争われることになる見通しとなりました。
宮城県も同調する構えで、10日にも上告するということです。石巻市の言い分は「校長に専門的な知識が必要になる」「津波の襲来は予見できなかった」などというものですが、私はこの石巻市の言い分には首をかしげたくなります。あれだけの強い揺れが襲って、震源域が東北太平洋沖で、しかも地震の規模を示すマグニチュードが9.0という巨大地震であり、ど素人が考えたって、津波が来るということはわかっていたはずです。小学校が避難場所に指定されていたため、校長をはじめ、教員の間には、ここまで津波は来ないだろうという思い込みがあって、その思い込みが招いた大惨事であって、地震が発生した後、全校児童を校庭に集合させて、近くの高台に素早く避難していたら防げたのではないかと思います。