福岡県小郡市で、今月6日に起きた母子殺害事件。当初は無理心中を図ったものとみられていましたが、その後の捜査で殺害された可能性が高まり、県警は8日、3人のうち、中田由紀子さん(38)を殺害したとして、夫で県警通信指令課の巡査部長中田充容疑者(38)を殺人容疑で逮捕しました。中田容疑者は「事実ではありません」と、容疑を否認しているということです。県警は殺害の動機などを詳しく調べる方針だそうです。
逮捕容疑は6日午前0～9時ごろ、自宅で由紀子さんの首を絞めて殺害したとしています。県警によりますと、当初は無理心中の可能性があるとみていましたが、司法解剖の結果などから3人とも殺害されたとみて捜査しました。室内も荒らされておらず、外部から侵入された形跡もない事から、中田容疑者以外の第三者が殺害に関与するのは困難と結論付けました。子どもが死亡した経緯についても追及する方針だそうです。
捜査関係者らによりますと、中田容疑者は由紀子さんと、市立小郡小学校4年生の涼介君(9歳)と、同小1年の実優さん(6歳)の4人暮らしで、由紀子さんの遺体は一階台所で仰向けで涼介君と実優さんは2階寝室でうつ伏せの状態で見つかったそうです。由紀子さんの周辺には油のようなものがまかれ、髪の毛の一部が焼けた跡があっとそうです。さらに近くには練炭のようなものがあり、遺体発見時には室内に煙が充満していたそうです。県警は由紀子さんが自殺したように装ったうえで、火をつけて証拠を隠滅しようとした可能性があるとみて調べています。
司法解剖の結果、3人の死因はいずれも首を絞められたことによる窒息死で、死亡推定時刻は由紀子さんが6日午前0～9時、子供二人は同0～5時で、中田容疑者は「6日午前6時45分ごろ出勤した際には3人とも寝ていた」と説明していましたが、司法解剖の結果と矛盾することなどから、連日事情を聞いていたそうです。
また、県警は当初、由紀子さんの姉から「妹が自殺している」と110番通報があったと説明していましたが、姉から連絡を受けた中田容疑者が職場に報告した内容を姉の110番として扱っていたことを明らかにしました。
この事件、現職の警察官が殺人容疑者として逮捕されるという、衝撃的な展開を見せていますが、私は死亡推定時刻の発表と、中田容疑者が職場に出勤した時刻に矛盾があると感じて、「何かがおかしい」と思っていましたが、「やはりそうだったか」という印象を受けました。まだ容疑者ということで、犯人と特定されたわけではありませんが、第三者の侵入の形跡がないこと・荒らされた形跡がないことなどのほかに、もし仮に第三者に殺害されたとするのであれば、当然抵抗した時に物音がすると思いますので、気が付くはずだと思います。それが気が付かなかったというのは、どう考えたって、無理があるように思います。中田容疑者は関与を否定しているということですが、今後の捜査がどのように進むのか、注目したいと思います。
警察官と言えば、一般市民の安全・安心を守るのが使命だと思いますが、その警察官がこのような事態を引き起こして、いったい何を考えているのかと思います。この家族に何があったのかはわかりませんが、殺人事件を起こすと、どうなるかは一番よく知っていたはずで、どんな動機があったにせよ、許されるものではないですね。
