sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

佐賀県鳥栖市いじめ訴訟

今日の新聞に掲載されていた記事です。佐賀県鳥栖市で起きたいじめについてのことが掲載されていました。
 6年前、当時中学一年生だった男性(19)が同級生十数人から約7か月にわたり殴る蹴る、エアガンで撃たれるなどの暴行を受け多額の金を恐喝された事件がありました。市教委は「犯罪に等しい」といじめを認め、謝罪しましたが、男性が学校の責任を問う訴訟を起こすと一転。校長(当時)が「エアガンの威力は小さい」とする報告書を出すなど責任回避の姿勢を強め、今も重度のPTSDに苦しむ男性はさらに傷つけられているというものです。

 殴られる・首を絞められる・殺虫剤を吹き付けられる・カッターやナイフで切られそうになる…。男性によりますと、2012年4月の入学直後から繰り返し暴行を受け恐喝されたそうです。自分の貯金が底をつくと脳梗塞で入院していた母(48)が医療費のため自宅に置いていた金なども持ち出すしかなく、男性は被害額は100万円に上ると主張しています。
 「発覚すると、自分も家族も加害者に殺される」強い恐怖を覚えた男性は被害を周囲に言えなかったそうです。同年10月に発覚後、男性の体のあちこちにできた傷を見た母親は絶句したといいます。
 いじめ発覚後、男性は重度のPTSDと診断され、登校できなくなったといいます。県警は捜査に乗り出し、同級生数人を児相に通告。市教委は翌年3月の記者会見で、男性が十数人から暴力を受けて数十万円を恐喝されたと発表し、天野昌明教育長が陳謝。市報にも「お詫び」掲載しました。
 男性らは15年「これからは前を向いて生きるためには残忍な暴力と、学校が対応を誤った事実を明らかにする必要がある」として、同級生8人と、市などに損害賠償を求める訴訟を佐賀地裁に起こしました。すると、市は態度を一変させて、ほとんどの暴行を否定する同級生の言い分に沿う形で、認めていたはずのいじめを「知らない」と主張し、校長が市の代理人弁護士をエアガンで撃つ「実験」写真付きの報告書も提出。校長は「弁護士によればビリっと感じたが、痛いというほどではない」『おもちゃなのだから危険性がない』などと記しました。
 市はかつて虐めを認めた理由について訴訟で「激しい暴行などを加害生徒に認めさせようとする男性の母親らの要望に従う形で対応せざるを得なかった」と説明。市教委は取材に、訴訟で認めなくなった理由について「事実関係は被告生徒の認否や陳述書などで明らかになった点も多い」などと回答しました。
 男性は「威力を増した改造銃や電動ガンでも撃たれ、多数の傷ができ、激痛を感じた」と証言し「市が虐めをなかったことにし、責任逃れをするのは許せない。ボロボロになった自分をさらに追い詰めるのか」と憤りを見せています。男性は20日から始まる尋問で被害体験や心境を語るそうです。

 そして、さらに新聞ではPTSD、時も癒せずとして、書かれています。
 7月下旬の夜、男性は自宅の隅でガタガタと震えていたそうです。「ごめんなさい。金を持って来ますから」「ごめんなさい」。両手で抱えた膝に顔をうずめて繰り返し、家族の呼びかけも耳に入らず、汗が止まらないそうです。蘇るいじめの記憶に男性は今も苦しんでいます。「毎日、毎日、拷問を受けるうちに人格が壊され、暴力を受けても痛みを感じなくなった。やがて「死んでもいい」と考えるようになった」と語っています。
 中学に登校できなくなった後も暴力を受け続けている感覚が身体から抜けず、何度も命を絶とうとしたそうです。家族は一時も目を離せなくなったといいます。2年前、県警などが支援する集まりに通っていた時には両親に宛てて「昔のことを思い出してどうしようもありません。毎日が死にたい、死にたいとそればかり考えています」と記しました。男性の診療を続ける精神科医は「同級生から強い支配を受けたことによる重度のPTSD。家族の支えで何とか生きている状態」と指摘しています。男性を支援する「全国学校事故・事件を語る会」の内海千春代表世話人は「いじめの事実を認めない死の姿勢は、苦しみながら何とか生きようとあえいでいる男性への加害行為だ。被害者救済の視点が完全に抜け落ちている」と批判しています。

 エアガンの威力は小さい…。たとえおもちゃであったとしても、エアガンを人に向けること自体虐め加害行為だと思いますが…。
 いじめを認めていたにもかかわらず、裁判が始まると一転していじめはなかったと主張する市側。ここにもいじめの事実を揉み消そうとする姿勢が見え隠れします。虐めの加害者に尋問したって、自分の罪を軽くするためには、なりふり構わず嘘をつきますよ。学校や市教委は被害者の味方になるどころか、あろうことかいじめ加害者の味方になってどうするのかという強い怒りを覚えます。
 新聞には暴行で痣ができた男性の左ひじの写真が掲載されていますが、とても尋常じゃない状態ですよこれは。これでいじめがなかったとどうしていえるのか、私にはそこが理解できません。
 男性がいじめ被害に遭ってPTSDを発症したのは間違いのない、疑いようのない事実であり、決定的な証拠になると思います。
 
 校長が代理人弁護士に対して行った「実験」というのも馬鹿らしいですよね。エアガンを人に向けるということは、人を傷つける可能性があるということは、中学生にもなれば十分理解できるはずです。それを人に向けて発射するというのは、傷害行為以外の何物でもありません。
 市や学校の対応は、私から見れば「いじめはなかったことにするから、勝手に苦しんでれば?」と言っているように思えてなりません。
 今後始まる裁判で、どの様な証言をするのか、注視していこうと思います。