東京電力福島第一原発事故の避難者による
集団訴訟で、国と東電の責任を認めた17日の
前橋地裁の判決が、原告となった子供のうち5人について、避難先の学校などでいじめや嫌がらせに遭い、精神的苦痛を受けたと認定していたことが分かりました。
判決によると、
群馬県内に
自主避難した女児は、祭に誘われた当日、小学校の級友から「誘ってないよ。クラス全員誰も一緒に行かないよ。そう決めてたから」と言われたそうです。
福島県浪江町から避難した
男児は小学校で「福島君」と呼ばれていたそうです。
群馬県から
福島県の中学校に戻った男子生徒は「またこっちに戻ってきたのか」「逃げて行ったんだろう」と言われるなどしたそうです。
判決では5人のうち2人について賠償を命じ、3人については、慰謝料の額は東電が支払った賠償金を越えないとして、請求を棄却しました。
この問題、いったいどこまで広がりを見せるのか…。
自主避難して、再び故郷に戻ったら戻ったで、今度は「逃げた」「戻ってきた」などと言われる…。避難しても、戻っても
原発事故の被害者は安心できる状態ではないというのが浮き彫りになったような気がします。何度も言いますが、
原発事故の被害者の人たちは、子供も含めて、好き好んで被害に遭ったわけではありません。もし自分が同じ立場だったらどうなのか、そういうことを考えてほしいと思います。
私の身近には、福島から避難してこられた方たちはいませんが、このような差別は絶対にあってはなりません。第一、日本各地に
原発が立地しており、それも
地震大国であるわけで、いつ福島の事故と同じことが起きても不思議ではありません。その時に、このようなことをされたら、あなたたちはどう思いますか？福島で起きたことは、絶対に他人事ではないんです。このような差別や偏見は今すぐ捨て去ってもらいたいです。
