この記事は今日の新聞のスポーツ面に掲載されていた記事です。
国際陸上競技連盟は1日、ロシア陸上競技会の深刻なドーピング違反を告発した女子中距離のロシア元代表のユリア・ステパノワ選手(29)に、個人資格で国際大会への出場を認める決定を下しました。リオデジャネイロオリンピックに向けた国際陸連が設けた救済措置にによる承認第一号で、ステパノワ選手はオリンピック出場権獲得を目指し、6日にアムステルダムで開幕するヨーロッパ選手権に出場する見通しとなったということです。
ステパノワ選手は2014年、ロシアの反ドーピング機関元職員だった夫のビタリー・ステパノワ氏とともにドイツのテレビ番組でロシアの組織的ドーピングを告発。世界反ドーピング機関(WADA) の調査で不正が裏付けられ、ロシア陸連の資格停止処分につながったとされています。ロシア国外に移住しているステパノワ選手はロシア代表以外でのオリンピック出場を望んでおり、国際陸連は救済措置に、不正告発で大きな貢献があった選手も対象とするとの規定を設けています。
また、国際陸連は1日、救済措置にロシアの陸上選手80人以上から申請があったことを明らかにしました。申請期限は今月4日までで、今後も増える可能性があります。申請した選手は、海外で厳格な検査を受けるなどドーピングに関与していないと証明できたごく一部のみリオデジャネイロオリンピック出場が認められるということです。
この問題、まずは勇気を振り絞ってロシア国内のドーピング問題を告発したステパノワ選手が、国際大会に出場できる見通しになったことは歓迎したいと思います。不正を告発した選手がきちんと救済措置を受けられないというのはおかしな話ですからね。ただ、私が気になるのは、国際試合に出場できなかった期間のブランクがどう影響するかということです。恐らく個人的に練習は積んできたと思いますが、果たして予選やオリンピック本番の自分の調子をベストな状態に持って行けるかどうか…。