先週の土曜日、新横浜～小田原間を走行していた新大阪行きのぞみ265号の車内で愛知県岡崎市の無職小島一郎容疑者(22歳)」が刃物を振りかざし、隣に座っていた20代の女性を切り付け、さらにもう一人の女性も切りつけて、止めに入った梅田耕一郎さん(38歳)をめった刺しにして死亡させた事件。小島容疑者は逮捕されてその後の取り調べで「むしゃくしゃしてやった。誰でもよかった」という内容の供述をしています。
のぞみ号は下り列車の場合、新横浜を出ると名古屋まで停車しません。この間、いわば動く密室状態になるわけで、小島容疑者はそれを狙って犯行に及んだのではないかとみられてます。JR各社は防犯カメラを設置したり、車掌による車内巡視を強化したりするなど、車内の防犯対策強化に取り組んできましたが、それでもこの犯行は起こってしまいました。改めて列車内での防犯対策の難しさが浮き彫りになったのではないかともいます。
航空機並みのセキュリティー対策を講じるべきとの意見もありますが、それだと乗車までに時間がかかりすぎてしまい、あれだけの利用者がいる新幹線で行うのは非常に困難ではないかと思います。
その一方で新幹線に乗車する場合、必ず自動改札を通るわけで、改札機を改良して、改札機の前に金属探知機を設置して、刃物を持っている疑われる場合は、入場ゲートを閉鎖するといった対策が必要になるのではないでしょうか。利用者に不便をかけることなくこのような犯行を防ぐためには、機器の改良・性能の向上が必要になってきますが、まずは比較的利用者の少ない駅で実証事件を行って、その効果を確かめてみることも必要になってくるかもしれませんね。こういった対策を実行しないといつかまた同じような犯行が起きる可能性があるのではないかと思います。
この事件で小島容疑者は自閉症だったという報道もなされていますが、自閉症を抱えた息子を育てている私としては、自閉症＝犯罪を犯す可能性が高い。という偏見が広がらないかが心配です。事実、精神的に病んでいて、精神科に通院していたということも報道されています。その通院もやめてしまったとか。なぜこのような犯行に至ったのかは今後の取り調べで詳しくわかると思いますが、もし彼が本当に自閉症を抱えていたのであれば、不起訴になるんでしょうか？
この事件で亡くなられた梅田さんのご冥福と、怪我をされた二人の女性の方々の一日も早い回復をお祈りいたします
