sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

赤ちゃんポスト・出生前診断ってありなのかなぁ

 今日の新聞の特集ページで組まれていたのが、熊本県にある慈恵病院に設置された捨てられた赤ちゃんの命を救うために設けられた赤ちゃんポストについてでした。この特集記事は乃木坂46のメンバーが正解のない問題に対して考えるもので、メンバーの中では赤ちゃんポストの設置に賛成が5人・反対が17・分らないが3という結果だったそうです。
 メンバーの意見として「育てられない親の下で命を落とすことになるのなら、他の人に育ててもらったほうが幸せかも」という意見・「でも、安易に赤ちゃんポストに頼ればいいって考える人が増えそう」と心配する意見。メンバーの藤原さんがみんなの意見を聞きながら「赤ちゃんポストがあることで、失われるものってある?」と問題提起。「失うものがなければ、あっていいはずだよね」「命を大切に思う感覚とか・・・?」「家族の繋がりとかが薄れる」という意見が出たそうです。
 ここである事実がメンバーに示されたそうです。赤ちゃんポストが設けられてからの6年間で実際に預けられた赤ちゃんは92人。そのうち20%の親が思い直して実の親に引き取られたそうです。「2割の親が、考え直して戻ってきている。赤ちゃんポストは親の一時の迷いを救っている機能もあるんだね。この2割という数字を評価するなら、赤ちゃんポストはもっとあったほうがいいのかもしれない」
 
 メンバーは「出産を控えた母」の立場を想像して、生まれてくる「命について思いをめぐらせたそうです。次に考えたのが、胎児の染色体異常の有無を調べる「出生前診断」の是非について考えたそうです。「将来母親になるとき、出生前診断を「受けたくないという人はどれくらいいますか?」と藤原さんの問いに答えたのは6人。残りは肯定的な意見だったそうです。
 秋元さんは「診断を受けて、陽性だから産みたくないと考えることじたい、親として失格なんじゃないか」と考えたそうです。
 高山さんは「この診断自体が、異常があったら中絶しても言いと言っているみたいで、障害のある人を受け入れない世の中になっていかないか心配だ」と語ったそうです
 中元さんは「子供に異常があったとすれば、親がその事実を受け入れる期間も必要だと思うので、その時間をつくるものだとすれば、ありなんじゃないか」と思ったそうです。
 親戚のダウン症児のことを語ったメンバーもいたそうです。その子のお母さんは高齢出産だったそうですが、あえて出生前診断は受けずに、わが子をありのままに受け入れたそうです「そのお母さんを見て、私も出生前診断はしたくないと思った。でもその気持ちは母親にならなくては分らないと思うんですよ。今の私たちは、必要だって言う意見が多いと思うけれど・・・」
 
色んな意見がある中で、こういう若い人達が、こういう問題に対して真剣に議論を重ねるということは大変いいことだと思います。
 まず赤ちゃんポストについてですが、私なりの考えとしてはどんな理由があるにせよ、赤ちゃんの命は絶対守らなければならないと思います。そのための答えのひとつが赤ちゃんポストだと思います。ただ、赤ちゃんを産んだ親も本当に今の自分に育てていくだけの力がないのか、後々になってもしその赤ちゃんが生みの親から捨てられたという事実を知ったときのかなしみや心の傷を考えたときに、本当に幸せになれるのか、真剣に考えた上で結論を出すべきだろうと思います。自分たちが望まない赤ちゃんができたからと言って、安易に赤ちゃんポストに頼ればいいということは絶対あってはならないと思います。親になるというのはそれだけ、ひとつの命を授かるということ。それだけ重い責任と覚悟が必要だと思います。出来ちゃった婚などは、あまりにも赤ちゃんという別の人格を持った新しい命を軽く見すぎている様な気がします。
 また出生前診断についてですが、私の息子が生まれる前に「あなたの子供さんは自閉症という障害を抱えていますよ」といわれたら、どうすべきかやはり悩むだろうと思います。産んで育てるべきか中絶するべきか。やはり生まれてきてから息子の普段の状態を見てから何かが違うと感じてある程度覚悟ができてから病院で診察を受けるのと、生まれる前に異常があることが分って、産むか産まないか決めるのとでは親の気持ちの整理という面からも考えてかなり違ってくるのではないかと思います。乃木坂46のメンバーの言うように、異常があったら中絶してもいいといわれているような気持ちになってしまう・社会全体が障害のある人を差別する考えになってしまう気がするという反対意見がある一方で、子供の状態が分ったほうが出産後の心の準備が出来る・生まれた子供がすぐjに死んでしまったり、病気で苦しい思いをするのはかわいそうという賛成意見もあります。つまり、この問題にはこれが正しいという答えはないと思います。ただ、この出生前診断が命の選別につながるようなことになってほしくないというのが私の思いです。世の中はいろんな人がいて、障害を抱えている人も、そうでない人も、お互いいろいろ工夫を凝らして暮らしていけるような世の中が一番なのではないかと思います。私は息子が自閉症という障害を抱えて生まれてきたからこそ、今まで私が知らなかった目線で物事を見ることも出来るようになってきましたし、同じ障害を抱えた子供を育てている人たちとのかかわりも持てるようになりました。私たち障害を抱えた子供を育てている親は、障害者と健常者を結ぶ架け橋としての役割が求められている様な気がします。