酷暑の中での開催でいろいろと対策が行われている東京オリンピックのマラソンと競歩。スタート時間を午前6時に設定したり、暑さをしのぐためにミスとを吹きだす装置を導入したり、暑熱対策のアスファルトに張り替えたりといろいろと対策を施していますが、ここに来て、マラソンと競歩の実施会場を札幌に変更する案が出て、IOCでも承認されたという報道がなされています。この案が浮上した背景には、先月カタールのドーハで行われた世界陸上でのマラソンの過酷さが主な要因となったようですが、この時はエントリーした選手のうち、およそ4割の選手が完走できずにに途中棄権したことが問題になったようですね。ドーハと同じように高温多湿が見込まれる東京での開催に、IOCも危機感を募らせたのかもしれません。選手の健康を考えたら、酷暑での開催は選手生命にもかかわることですので、それはそれで致したかったのかもしれませんが、オリンピック期間中の東京は高温多湿であるということは昔から分かっていたことですので、それならもっと早くからマラソンコースは札幌で開催するということにならなかったのかという疑問もわいてきます。もし札幌で実施するということになれば、新たなコース設定や、警備の問題、移転・変更に伴う費用の増大など、いろいろな問題も出てきます。選手ファーストという割にはこういった案が出てくるのが少し遅かったのではないかと思います。選手からも戸惑いに声も上がる一方で、札幌市は歓迎のようですね。札幌ドームをスタートゴールにして、8月に行われる北海道マラソンに沿ったコースを走るように設定するとか、そういう話も出ているようで、札幌市の名所を内外に発信する好機とも受け取れます。まだ正式決定ではないにしろ、たぶん札幌での開催が決定するのではないかと思います。札幌はこれから雪の季節を迎えるので、あまり準備期間はないと思いますが、どこで開催するにしても、選手が自分の実力をいかんなく発揮できる大会であってほしいですね。
