sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

組体操事故被害者の叫び

 学校の運動会や体育祭で相次ぐ組体操の事故。高層化の規制や中止の対策をとる動きが広がっているそうです。重大事故を防ぎにくいとされるタワーやピラミッドを中止することにした大阪市教委に続き、千葉県柏市流山市の教委が全面中止を決定。松戸市も中止を検討しているとされています。特に、小中学校の校長会が地元の病院の救急医が発表した組体操事故の実態をエビデンス(証拠・根拠などの意味)として規制を判断した松戸市教委の例は、ほかの地域にも大きく影響を与えそうだということです。

2年前に小学校で組体操の練習中に後遺症が残るほどの大けがを負った中学生が、馳文科相に宛てて手紙を書いたそうです。
「先生が 絆だから‼絆なんだよ!」と言いながら練習をさせていた実態を明らかにし、相次ぐ組体操事故について国の無責任な検討で済ませないよう強く求める内容が綴られています。
 手紙はすでに大臣側に渡っていて、書いた本人の許可を得て、全部公開したそうです。

 国も、地方に慎重な姿勢を求める方向で動き出してはいます。5日には、馳文科相衆議院予算委員会初鹿明博議員(維新の党)の質疑に対し、「重大な関心をもってこのことについて文科省としても取り組まなければならない」と答弁し、国として調査や規制をしないとしていた方針を転換。鈴木大地スポーツ庁長官も22日の会見で、安全な実施に向けて国が一定の方向性を示すこともやむを得ないという考えを示しています。

16日には超党派の『学校管理下における重大事故を考える議員連盟』が結成され、現役の文科大臣を含む与野党3人の大臣経験者も顔をそろえたそうです。すでに2回の勉強会を開き、組体操事故の実態が広く知れ渡るきっかけを作った名古屋大学の内田良准教授(教育社会学)や、学校体育を所管するスポーツ庁の学校体育室・組体操を実施する都内の小学校の校長らから話を聞き、馳文科相に手渡す要望書をまとめました。
議連が24日に提出した具体的な申し入れは次の4点
①段数の低い場合でも死亡や障害の残る事故が発生していることなど、具体的な事故の事例・事故になりやすい技などの情報を現場で指導する教員にまで徹底すること。
②タワーやピラミッドなどの子供が高い位置に昇る技・飛んできた子供を受け止める技・一人に多大な負荷がかかる技など、大きな事故につながる可能性がある技については、確実に安全な状態で実施できるかどうかを学校においてしっかりと確認し、できないと判断される場合には実施を見合わせるよう、各教育委員会に求めること
③小学校での事故が相対的に多いことや小学校高学年は成長の途中で体格差が大きいことに鑑み、特に小学校においては、当該学校の子どもの実情を踏まえつつ、危険度の高い技については、特に慎重に選択するよう、各教育委員会に求めること。
④平成元年12月29日閣議決定により、それまで国が地方公共団体に求めていた子供の体育活動中の事故については、その発生を国が把握し全国の学校に情報提供するとともに今後の死せ区の参考とするため、地方公共団体が国に報告することを検討すること。

大臣宛の手紙を書いた生徒の母親は、国や国会議員が組体操の事故に関心を示すようになったことを評価する一方、あくまでも危険な技の実施への熟慮を求めるにとどまる議連の申し入れ内容について、「組体操ありきで現場の判断に任せるのか」と落胆しているそうです。その背景には事故後に受けた学校や教育委員会の隠ぺい体質があるといいます。

事故にあった生徒は東京都北区の小学校6年生だった2014年5月、組体操の練習中に崩壊したタワーの下敷きとなったそうです。左腕に広範囲な大怪我を負い、中学一年生になった今も後遺症に苦しんでいるそうです。学校は、母親の求めに応じて担任が事故当時のタワーと教職員の配置を示した文書を手渡しただけで、被害者や保護者に対して事故当時の説明を直接行わなかったそうです。

保護者がせめてもの思いで、保護者会で事故について報告するように学校に求めると、学校は保護者会で事実とは異なる内容を説明したそうです。校長が区教委に出した事故報告書にも、事実と違う記載が複数見つかったそうです。不信感を抱いた母親が都教委約教委に助けを求めると、「学校からの報告がすべて」として、担当者は取り合わなかったそうです。

事故は組体操で起きましたが、被害者にとって事故は一連の対応の問題の始まりすぎなかったそうです。国への事故報告の仕組みを作るだけでは収まらない教育行政の構造的な問題だったそうです。

事故直後から学校や教育行政の対応を見てきた被害生徒の手紙は17日、議連を通して馳文科相に渡されたそうです。鉛筆や消しゴムを長く持つことができない腕で書かれた手紙の内容は、学校側に事故の実態を隠ぺいされたことに対する怒りや、地方教育行政上、学校設置者に対して『中止』の指示や指導を明言できないでいる国の態度に対して、子供ながらの疑念が込められています。
 手紙には、4段タワーの練習をしていて、一番下で四つん這いになっていた生徒の上に崩れてきた3段目・4段目がのしかかり、死ぬほどの痛みを味わったこと。左手首靭帯損傷・左ひじの脱臼・骨折をしたこと、手術を受ける前の言いようのない不安や術後の激しい痛みのこと、もう誰にも自分が味わった痛みを味わってほしくないという思い、中学受験や音楽鑑賞会・ミュージカル・遠足・修学旅行・プールなど失ったものの大きさのこと、今まで普通にできていたことができなくなってしまったことへの悔しさや怒り、食事や着替え、トイレに入浴、鉛筆をもってノートに書けない・消しゴムで消すことができない…いろんなことが奪われてしまったことへの怒りの気持ち、
そして、事故の時に体育館で担任の先生や校長先生につかれた嘘も信じられないと書いてあります。事故を隠し守ってまでもゃる組体操の意味は何なのかという問い。これ以上被害者を増やさないでほしいという思いも綴られています。そしてさらに追い打ちをかけたのが、中学入学前に、中学の校長から「体育の授業で実技をやらないと0点です」と言われたことも書かれてありました。時間を元に戻してほしいという叫びも綴られています。

この事故を聞いて思ったのが、やっぱり学校という教育現場や教育委員会というのは、こういう被害者がいるということは隠蔽したがるんだなーっていうことです。いじめでもそうですが、児童生徒が被害にあっている、あるいは命にかかわるような状況下に置かれているということに対しても、なかなか真実を公表しようとはしませんよね。だから被害にあった生徒が、こういう手紙を文科大臣あてに出して、不自由になってしまった手を使って懸命に訴えたんだろうと思います。 
 組体操は、私も経験あるんですが、私は体格が大きかったので、タワーやピラミッドの一番下でした。やはりその時に思ったのが、崩れてきたらどうしよう…ということでした。何しろ、逃げ場がないんです。崩れてきたら下敷きになるしかないんです。学校側は、そんな事故は起こるはずがないと思っているのかもしれませんが、実際に事故は起きているんです。そして被害にあって、後遺症に苦しんでいる子供たちがいるんです。このような危険な技を必要とする組体操はやめて、もっと他に子供たちが安心して楽しめるような運動会・体育祭を考えてもらいたいものです。私の次男も中学生で、体育祭では組体操がありますからね。とても他人事とは思えません。