宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、金星探査機あかつきが、金星を回る軌道に入ったと発表しました。日本の探査機が地球以外の惑星の周回軌道に入るのは初めてです。あかつきは金星の待機現象の解明を目指し、来年春から本格的な観測に入ります。
あかつきは2010年5月に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。同年12月にメインエンジンが故障し、金星の周回軌道に入るのに失敗しました。今月7日に小型エンジンを使って、5年ぶりとなる金星の周回軌道投入に挑みました。
JAXAによると、あかつきは金星に最も近い距離で400キロ、遠い距離で44万キロの楕円軌道に入っています。今後、楕円軌道を徐々に小さくし、16年4月以降は金星からの遠い距離で31万~34万キロの軌道で本格的な観測を始めます。
あかつきは、金星の表面を覆う濃硫酸の雲の構造を立体的に解析し、、金星上空に吹く秒速100メートルの暴風も調べるそうです。雷や火山活動も観測し、金星が地球環境と大きく異なっている理由なども調べます。
あかつきは、4年半の設計寿命を超えており、5年ぶりの軌道投入は困難との見方もありました。しかし、機体の熱に強い部分を太陽に向けるなどして劣化を防いだ結果、迷年人以外に大きな故障がないまま、軌道に投入で来たそうです。金星探査は旧ソ連・アメリカ・欧州が実施しています。日本は月探査や小惑星探査に成功していますが、惑星探査は1998年に打ち上げたのぞみが機器の故障で火星探査に失敗し、あかつきが日本初の惑星探査に挑んでいました。