昨年7月に山口県地方を襲った集中豪雨の影響で、鉄橋の流出や路盤の崩壊などの被害を受けた山口線と山陰本線。今は山口線が地福→津和野間で、山陰本線が須佐→奈古の間で不通になっていますが、復旧工事が順調に進んで、当初秋ごろと見られていた復旧が、前倒しで8月に復旧する見通しとなりました。同じく集中豪雨で不通になっている三江線も浜原→江津間が7月に復旧するということで、これで中国地方で昨年の集中豪雨で被害を受けた鉄道路線は全線で復旧することになります。鉄道ファンとしては嬉しいことなんですが、どうせ復旧させるなら、もっと観光客を誘致できるような施策をとってもらいたいと思います。
今回、復旧する路線の中で観光客向けの列車が走っているのは山口線の新山口→津和野間のみで、あとはローカル輸送だけの路線です。しかし、沿線に観光資源がまったくないかというとそうでもなく、三江線は江の川にそった美しい景色が楽しめますし、山陰本線は日本海にそって走り、萩という歴史ある街並みや酸さのホルンフェルス断層など、自然が作り出したダイナミックな景観を垣間見ることもできます。こういった路線に五能線を走るリゾートしらかみのような観光列車を走らせて見てはどうでしょうか。これら、赤字ローカル線の利用者を少しでも増やしたいと思うにであれば、ただ待っているだけじゃなく、積極的に観光客を誘致する施策が必要だと思います。