広島の少女虐待死事件

　広島で小学5年生の女子児童が、母親から「言う事を聞かないから」という理由で、ゴルフクラブで殴られて死亡するという痛ましい事件がありました。彼女の体には以前から暴行を受けていたと見られる痣が複数見つかっているそうで、日常的に躾と称して虐待が行われていたようです。この虐待には実の祖母も加わっていたとされ、家の中でも彼女には逃げ場がなかったのではないかと思います。テレビニュースでは亡くなる前に運動会に楽しそうに参加する彼女の姿が映されていましたが、彼女自身もまさかその僅か数日後に死亡するとは思っても見なかったのではないでしょうか。警察の取調べに対し、母親は躾のつもりだったと話しているそうですが、これと同じような言葉はこれまでに何度も耳にしました。これから先の未来を奪った母親の行為は許されるものではありません。しかし、実の娘を虐待死に至らしめた原因はなんだったのか考える必要があると思います。虐待という行為は連鎖しやすいといわれます。自分が親などの大人から虐待行為を受けて育った場合、愛情を受けずに育ってやがて成人し、子供を産んでも自分の子供に対してどのように接していいかわからないというケースが多いそうです。この母親が孫の虐待に加担していた祖母に虐待を受けていたのかは、これから調査しないと分らないことですが、女子児童が母親との生活を希望し、母親も彼女との生活を希望して、保護施設を出たといいます。母親と楽しく生活したいと願った彼女の夢が無残に打ち砕かれてしまったのが残念でなりません。