NASAは無人土星探査機カッシーニが日本時間15日夜、土星の大気に突入して燃え尽き、20年に及ぶ任務を終えたと発表しました。初の土星探査機として、謎が多いリングの成り立ちの解明や、タイタンとエンケラドスに生命が存在する可能性を突き止めるなどの成果を残しました。
NASAによると、カッシーニは日本時間午後7時半ごろ、土星の上空1900キロの大気圏に突入。姿勢制御が不能になるまで、大気成分などの測定をしながらデータを地球に送信し続けました。およそ14億キロ離れた地球にデータが届くまで83分かかることから、同日午後8時55分ごろ電波が途絶えました。大気突入前には、13日以降に撮影したリングやタイタンなどの画像を地球に送信していました。
1997年に打ち上げられたカッシーニは、2004年に土星に到達。当初は2008年に任務を終える予定でしたが、大きな故障がなかったためNASAは運用期間を08年と10年の2度にわたって延長しました。国立天文台の渡辺潤一副台長は「宇宙に生命が存在可能な場所がそれまでの想像以上であることを示した。放射線に長年耐えた技術も確かだった」と称え、「土星大気のデータの実測が得られれば初。新たな発見にも期待したい」と話しました。
とうとうカッシーニの任務も終わりを迎えましたね。カッシーニが最後に写した土星の画像、美しいリングが細部にわたって写されてましたが、本当にきれいですよね。長年謎であった土星のリングの形成過程の解明や、分厚い大気に包まれて、表面の様子が全くわからなかったタイタンの鮮明な画像は、私の記憶の中にもよく残っています。
タイタンでは地球の水の循環に似た現象が起こっており、生命の存在の可能性が指摘されています。