昨日、NHKクローズアップ現代＋で、虐待入院というのを見ました。この虐待入院は、親から虐待を受けて、治療が必要な子供が入院してきて、身体が元気に回復した後も、退院できずに、病院に入院したままの子供たちのことを言うそうなんですが、NHKの取材から、こうした子供が全国でおよそ350人いることが分かったそうです。なぜ体が元気になっても退院できないのか。虐待を受けた子供を親元に帰すと、再び虐待を受ける可能性があり、親元には返せません。そして児童相談所を介して入所できる施設を探すことになるんですが、空きがないか、ほとんど空きがない。そういう状態になっていて、施設にも入所できない。そういう子供たちが数多くいるということでした。
子どもは周りとの関わりから人間関係を築いていきますが、このように親元にも返せない・施設にも入所できない虐待を受けた子供たちが病院に入院しているとなると、心身の面で悪影響が出るといいます。人間関係がうまく構築できない・誰を信用していいのかわからない。などの弊害が起きるリスクが非常に高いということでした。また、里親制度というのもありますが、なかなかマッチするのが難しい面もあり、こちらの面もなかなか思うように受け入れが進まない要因の一つになっているということでした。
これは厚労省も把握していなかったということで、今後大きな波紋を呼ぶことになりそうです。
虐待を受けた子供は心身に大きな傷を背負ってしまっていて、さらに受け入れ先がなくて辛い思いをしなければならないという、二重・三重の苦しみを味あわなければならない実態が詳しく紹介されていました。
まさに子どもの虐待がいかに深刻で危機的な状況にあるかを物語るような報道内容でした。子どもにはみんな幸せになる権利があるのに…。親からの虐待というあってはならないことで辛い思いをしたうえに、さらに苦しまなければならないのは、あまりにも可哀そうすぎます。
