北朝鮮の金正恩委員長の腹違いの兄で、金正日総書記の子供である、金正男氏がマレーシアの首都、クアラルンプールの国際空港で、何者かによって毒殺されるという事件が起こりました。マレーシア当局によると、北朝鮮国籍の男性が体調不良を訴えて、病院に搬送されましたが、死亡したということです。地元警察はベトナムのパスポートを持っていたミャンマー国籍の女を拘束して取り調べを始めたほか、金正男氏の遺体を司法解剖して死因を特定する作業に取り掛かっているそうですが、死因の特定には至っていないようです。
金正男氏は北朝鮮国内では政治的な力は持っていないということですが、世襲制に反対したり、中国と密接なかかわりを持っていたりと、金正恩委員長からすれば、自らの立場を危うくする人物だとみられていたようです。そして金正恩委員長の命令で正男氏暗殺を企てたとの見方も出ています。もしこれが事実だとすれば、自分の身を守るためなら、側近のみならず兄や親兄弟でも殺すという実に冷酷非道な性格だといえるでしょう。金正恩体制になってから、より一層独裁化と恐怖政治が浸透してきているように思います。そして国民は日々の暮らしにあえいでいるというのに、この前も弾道ミサイルを打ち上げて、その成果ばかりを強調していますが、あの弾道ミサイル一発を打ち上げるのをやめたら、どれだけの国民に満足な食事を与えてやることができるのか、そんなことなんて考えていないんでしょうね。
この金正男氏暗殺事件、まだ解明されていない謎が多いだけに、どのような影響が出てくるかわからないので恐ろしいですよね。
