皆さんは、全地球規模で停電が起こったら…。て考えたことありますか?そんな地球規模で停電なんか起こるはずがない…。そう思われるかもしれません。でもこれは映画のシナリオでもなんでもなく、実際に起こりうることなんです。
1859年、天文学者キャリントンは、その当時の最先端技術を使って、太陽を詳しく観測していました。そして、太陽表面に巨大な黒点を発見し、それから数日後、太陽の表面で爆発が起こる瞬間を目撃します。そして同僚を呼びに行っている間にその爆発の痕跡は、跡形もなくなくなってしまっていたといいます。その間およそ1分。キャリントンが太陽表面の爆発を目撃したその数日後、普段はみることのない、中緯度地域でオーロラが観測され、後にこれが太陽の表面で起こった、太陽表面の爆発、巨大な太陽フレアーだったことが判明します。この爆発現象はキャリントンが詳しく観測したことから、キャリントンフレアー・または、キャリントンイベントと呼ばれています。
今、太陽の表面でキャリントンフレアークラスの爆発現象が起こったとします。そうすると、およそ17時間から20時間後、爆発によって吹き飛ばされた、強力なプラズマが地球表面に到達します。一度に強力な電磁波を帯びたプラズマが流れ込むと、変電所にある変圧器に過剰な電流が流れ、変圧器が全地球規模でダウンし、地球規模で停電が発生すると警告されているものです。
実際に2012年夏、ロンドンオリンピックを目前に控えた7月、太陽表面で巨大爆発が起こり、あわやという事態が起こりました。この時は、太陽フレアーが起こったのが、地球とは反対側だったため、大惨事を免れましたが、これがもし地球側に向いた表面で起こっていたら、電気がストップし、その結果あらゆるインフラが使えなくなって生活に大きな影響が出ていただろうといわれています。