sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

面白い奴がいる???

 これは私が中学校一年生のときの話です。私たち家族は大阪から引越ししてきてしばらくは借家に住んでいて、家が見つかって、中学一年の二学期半ばで転校したんですが、転校してしばらくたって、私が在籍していたクラスのクラスメイトから、「面白い奴がいるから、見に行かんか?」と誘われて、私は大阪人特有のボケツッコミをする奴がいるのかとか、一発ギャグをかまして笑わせるような奴がいるのかと思って、「オーッ。面白いやつがおるんじゃったら見に行く」と二つ返事でついていきました。しかし私が見たのは、自分が想像していたのとはあまりにもかけ離れていた光景でした。クラスのみんなが自閉症を抱えたある男子生徒を集中的にいじめている光景でした。強力な輪ゴムを引き伸ばしてその男子生徒に向かって弾き飛ばしたり、胸倉をつかんで思いっきり突き飛ばしたりしてました。その男子生徒が怖がるのをクラスのみんながあざ笑うかのように、下卑た笑いをあげていました。そして面白い奴がいるから見に行こうと誘ったクラスメイトもその光景を見て面白いといって笑ってました。そして、自分の教室に戻る途中、そのクラスメイトが言ったのが「な、面白い奴じゃったろ?」というので、私はあんな光景見て笑えるわけねぇじゃんと思ったので、「お前、今の光景を見て本当に面白いと思うか?今の光景を見て心の底から笑えるか?悪いけど俺はお前との付き合い方、考えさせてもらうわ」そういって自分の席に戻って授業を受けた私です。ホームルームが終わって帰りの時間になって、そのクラスメイトが一緒に帰ろうぜと言ってきたんですが、私はきっぱり「お前との付き合いを考えさせてもらうって言ったろ?」そう言い残して教室を後にした私でした。
 今も私の脳裏にその男子生徒の恐怖に怯える顔が焼き付いて離れません。どれだけのいじめを受けてきたんだろう・どんな辛い思いをしてきたんだろうと思うと、自分の過去と重なって哀しくなりました。これは私の推測ですが、その子のご両親は、きっと健常児と一緒に授業を受けさせたいと思っていたのではないかと思います。そのご両親の気持ちを思うと、誰か一人でも味方になってやらなければと思ったしだいです。そして2年生に進級すると、その男子生徒と一緒のクラスになり、私がいろいろと手助けをするようになって、ある日、ご両親が私の家を訪ねてこられて、「息子がいつもお世話になっています。」と言っておられました。たぶん、ご両親もそのこがいじめにあっているというのはわかっていたのだろうと思います。ただ、何らかの事情があって支援学校に行けなかったのだろうと思います。自分たちとは明らかに知的レベルが違う・ハンディーを抱えているという理由だけでいじめを行うというのは、自分と違うものは排除してしまえみたいな考えがはびこっていたのかもしれません。一年間一緒のクラスでいろいろと手助けをしていたら、少人数ではありましたが、少しずつ一緒に手助けをしてくれる仲間もでてきて、その子の表情も恐怖に引きつった顔から、次第に笑顔がこぼれるようになりました。そして、3年生のときに、また別のクラスになったんですが、元気に学校に登校していました。
 卒業してからはそれぞれの進路に進んでいって、その子とは卒業以来あっていませんが、きっと今も元気に毎日を暮らしていると思います。