sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

くみちゃん

 私が大阪に住んでいたころ、家の近くのアパートに私の同級生の男の子がいて、そのお姉さんにくみちゃんと呼ばれていた、重度の脳性麻痺を抱えた女の子がいました。
 同級生の男の子のところに遊びに行くと、くみちゃんも一緒に外に出ていて、よく一緒に遊ばせてもらいました。くみちゃんは体が思うように動かせないだけでなく、言葉も発せられない状態だったので、私はどうしたらくみちゃんが遊べるのかとか、何をしたら喜ぶのかとか、自然と考えながら遊んでたように思います。激しい運動を伴う遊びはできないので、ビー玉遊びとか、大阪では「べったん」と呼ばれていたメンコ遊びとか、家の中で折り紙を折ったりとか、くみちゃんとはそういった遊びをよくしてました。(くみちゃんは眺めているだけでしたが)
 そのくみちゃんは、体が弱くてすぐに体調を崩すことが多く、私が小学4年生の4月、風邪をこじらせてしまって肺炎を引き起こして、緊急入院して治療を受けたそうなんですが、残念ながら、そのまま14歳という短い生涯を閉じて、天国へと旅立っていきました。
 この当時は障害者にいする世間の風当たりは冷たく、偏見や差別が色濃く残っていたそうです。しかし、くみちゃんのご両親はくみちゃんの障害を隠すことなくオープンにして、私たちと接する機会を設けてくれました。くみちゃんは言葉は話せませんでしたが、私たち健常な近所の子供たちに大切なメッセージを残してくれたと思います。世の中には障害を持った人もいること・限りある命の大切さなど、決して学校では教えてくれない・教科書には載っていない大切なことを教えてくれたと思います。私にとって、くみちゃんと遊んだことはとても大事な宝物として思い出に残っています。くみちゃんが天国に旅立って行ってもう37年。生きていたら51歳になっているはずでした。私は生きたくても生きられなかったくみちゃんの分も、一生懸命に自分の人生を生き抜いていかなければいけない。そう思っています。改めて大切なことを教えてくれたくみちゃんにありがとうと伝えたいです。