sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

伊是名夏子さんの本を読んで

 昨日、ちょっと新しい本を買いに行こうと思って、市の郊外にある大型書店に行ってきました。私が主に買うのはエッセイや、いろんな困難を乗り越えてこられた方々の生きざまが書かれた自伝的小説。その中で昨日、書店で目に付いたのが沖縄県出身の伊是名奈津子さんの著書、ママは身長100㎝という本でした。伊是名さんは生まれつき骨が弱いという障害があり、身長も100センチで、普段は車いすを使って、ヘルパーさんの手助けを借りながら子育てに奮闘している姿が記されていました。障害があるがゆえにいろんな困難が今まで立ちふさがってきたそうですが、いろんな工夫をしながら、出来ないではなく、どうやったらできるようになるかを考えながら暮らしてきたそうです。
 自らの生い立ちや、支援学校に通っていた時のこと、高等学校に進学した時のこと、大学に進学し、海外に留学した時のこと、結婚・出産・育児に関することなどが主に記されています。その中で伊是名さんの根底にあるのが、常に自分の人生なんだから自分らしく生きたいという事でした。
 そして、現在のバリアフリーのことや、海外と日本の障害者に対する行政の在り方の違いなども記されていました。
 さらに私がちょっとこれはまずいんじゃないかと思ったのが「現自民党政権は、障害者は家族で支え合うべき」という政策を打ち出しているということ。このことを伊是名さんも本の中で危惧されていました。この記述を読んで私は「障害者にくれてやる金なんてねぇよ。自分の家族なんだから自分たちで面倒を見れば?ヘルパーなんかに頼ってんじゃねぇよ」そう言っているように思えました。確かに障害のある家族がいた場合、他の家族が支え合っていけたらそれが一番理想なんでしょうけど、私の場合、確実の息子より先に私や、私の両親の方が歳を重ねて、いなくなっていきます。その時に息子がどうやって生きていくようになるかと言えば、次男に息子のことを押し付けるわけにもいきません。次男には次男の人生があり、兄である息子の為に自分の夢や将来を諦めて欲しくありません。そうなったときにはどうしても公的機関の援助が必要になってきます。自分一人で生きていくという事には、困難を伴います。やはりどうしてもグループホームに入って、そこで寝泊まりしながら仕事をして、暮らすことになります。
 伊是名さんの本を読んで、改めてこの国の障害者行政が欧米に比べて遅れているなと思った次第です。こんな障害者支援が遅れている国で来年パラリンピックが開催されるなんて変ですね…。