sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

伊調馨選手のパワハラ問題

 このところスポーツニュースでも大きく取り上げられている、レスリング女子の伊調馨選手に対するパワハラ問題。栄和人氏がk強化本部長を引責辞任する形となりましたが、この問題、改めて考えてみると、根が深そうですね。
 伊調選手はアテネ・北京・ロンドン・リオデジャネイロでのオリンピックで、大会4連覇を果たし、国民栄誉賞も受賞しましたが、パワハラがあったということが認定されました。日本レスリング協会から調査を委託された弁護士の認定によるものです。
 伊調選手は高校入学を機に栄氏の指導を受けるようになったそうです。その後、伊調選手が実績を重ねましたが、栄氏の意識は古い主従関係に留まっていたようだと、新聞の社説では書かれています。
 調査報告書では、「よく俺の前でレスリングができるな」という発言などがパワハラと認定されました。パワハラは栄氏が指導する志學館大学から、伊調選手が東京に拠点を移した後に始まっているということでした。
 
 伊調選手が栄氏の元を離れたのは20代半ばだったそうで、成人女性の意思であり、指導者だからと言って抑え込むことはできない。教え子を抱え込もうとする意識がパワハラ発言につながったと思えると社説は指摘しています。
 
 栄氏の女子レスリング界での功績は大きく、伊調選手をはじめ、多くのオリンピックメダリストを輩出しています。

 指導者と選手は本来、人格的に対等な立場にあります。そのうえで選手の成長にどう寄与できるかが指導者に求められる資質です。

 他には、2010年アジア大会の選考基準を満たしていたにも関わらず、伊調選手が代表もれしたこともパワハラと認定されました。この点では強化や代表選考の権限が集中した栄氏を放任した教会の責任が大きいと指摘しています。

 栄氏は、協会では代表選手を強化する立場にある一方、特定大学の監督でもあったそうです。これでは代表選考での公平性が疑われることになると書かれています。

 告発があった時点で、協会の福田富昭会長はパワハラを否定しました。しかし、調査結果を受けて栄氏は強化本部長を辞任。また、福田会長は「相当古くから存在して、こういう問題が起きた」と修正しました。パワハラへの意識が希薄すぎたと社説では指摘しています。

 柔道界では13年に、オリンピック女子代表選手らが暴力やパワハラの告発があった際、体制を一新して出直しを図りました。

 レスリング協会は再発を急ぎ、古い体質からの脱却を図るべきだと厳しく指摘されています。

 このパワハラ問題、伊調選手が栄氏の元を離れたのは20代半ばであり、大人の女性として、今後の自分の身の振り方を考えての決断だったんだろうと思うんですが、栄氏にしてみれば「俺が強くしてやったのに離れていきやがった」という思いがあったのかもしれません。伊調選手が大人として、誰の師事を仰ぐのか、それを選択するのは、伊調選手の自由であり、権利だと思います。それを妨害するようなことがあってはならないと思う私です。
 この他にも数多くのメダリストを輩出しているだけに、他の選手にもこのようなパワハラ行為があったのかどうか、協会は完全に膿を出し切らないといけないような気がします。多分伊調選手だけに起こった問題ではないような気がします。
 それにしても、スポーツ界に未だにはびこるパワハラ問題。大相撲では親方が行き過ぎた指導によって、力士を死亡させるという事件も起きていますし、少し触れましたが、ロンドンオリンピックが終わった後に発覚した、女子柔道選手に対するパワハラ・暴力問題など、このような事案が発覚するたびに、親方・代表監督などが辞任したり、逮捕されたりしていますが、選手と監督などの指導者は、あくまで対等であって、「俺の言う事を聞け」というようなやり方は旧石器時代の指導方法です。このような事が起こらないように、してもらいたいですね。