アルプスの少女ハイジや母を訪ねて三千里などのアニメーションを手掛け、宮崎駿さんと一緒にスタジオジブリを立ち上げ、火垂るの墓・思ひ出ぽろぽろ・平成狸合戦ぽんぽこなどのヒット作の監督を務めた高畑勲さんが都内の病院で昨日、肺がんのため亡くなりました。82歳でした。
アルプスの少女ハイジでは、心優しく、感性豊かなハイジを生き生きと描き、母を訪ねて三千里ではマルコが一生懸命に遠く離れて暮らしている母のもとへと向かう姿が描かれていました。
また、火垂るの墓では、14歳の兄と4歳の妹の絆を描き、戦争に翻弄され、最後は二人とも亡くなるという悲しい物語を余すところなくアニメ化し、絶大な支持を得ました。また、平成狸合戦ぽんぽこでは、環境破壊に苦しむ生き物たちの奮闘を、面白おかしくも真正面からとらえていて、私たちに自然との調和とは何かを考えさせられる作品として公開されました。
私としては、やはり火垂るの墓が一番印象に残ってますね。主人公の清太と幼い節子の物語ですが、自分の妹である節子を荼毘にふすとき、いったい清太はどんなことを思っていたんだろう…。繁栄する今の都会を眺めて二人は何を思ったのだろう…。そんなことを色々と考えながら観てました。あの美しくも悲しい二人の兄妹の物語は、高畑さんだからこそ描き切ることが出来たんだろうと思います。
今まで、たくさんの感動をありがとうございました。どうか安らかにお眠りください。心よりご冥福をお祈りいたします。
