安倍総理は逃げている?

 今朝の新聞に掲載されていた記事の中で、昨年ノーベル平和賞を受賞した国際NGO核兵器廃絶国際キャンペーン」(I CAN)の事務局長で、来日中のベアトリス・フィン氏(35)が、安倍総理大臣との面会を政府に求めましたが、日程を理由に断られたそうです。ICANの尽力で実現した核兵器禁止条約には日本は参加していません。それでも唯一の被爆国として会って話すべきでは、との声が上がっています。

 首相は東欧を歴訪中で17日に帰国の予定。12日に来日したフィン氏は、16・17日に東京に滞在し、18日に日本を離れます。フィン氏は15日、広島市内で原爆資料館を見学後、報道陣に「他国の指導者たちとは面会できたこともあり大変残念。特に日本は被爆国という独自の経験があり、首相や日本政府の方々と話をしたいと思っていた。次の機会に期待している」と語りました。
 一方菅官房長官は同日、記者会見で「日程の都合上難しいということで、それ以上でもそれ以下でもない」と語りました。ICANはフィン氏がと東欧滞在中に首相と面会できるよう、内閣府へ昨年12月以降、文書で2度要請をしていました。
 なお、安倍首相と海外のノーベル受賞者との面会は、2014年のポールグルーグマン氏・15年のロバート・マートン氏・16年のジョセフスティグリッツ氏(いずれも経済学者)の例があります。

 核兵器禁止条約は核兵器の使用、開発、実験、製造、保有や核抑止力の根幹である威嚇を禁止し、国連で昨年7月、122か国の賛成多数で採択されました。アメリカの核の傘の下にいる日本は交渉には参加しませんでした。
 東京大学の西崎文子教授(外交史)は「日本政府も最終目標は核兵器廃絶と主張しており、ノーベル平和賞受賞者に敬意をもって応じるのが筋。考えが相いれない団体にも見耳を傾ける姿勢は政権の評価を高めたはずで、残念だ」と話しています。

 日本原水爆被害者団体協議会の箕牧智之代表理事(75)は「首相にはがっかりだ。政府は「核の傘」の下にいるのがベストだと思っているのか」と不信感をあらわにしています。
 長崎の被爆者で原水爆禁止日本国民会議の川野浩一議長(78)も「首相には条約に参加できない理由を自信を持って説明できないのではないか。被爆国としては本来ノーベル平和賞への祝辞を述べるべきなのに、述べずに逃げ回っている」と話しています。同じく被爆者で日赤長崎病院の朝長(ともなが)万左男(まさお)名誉院長(74)も「日程上の都合なら仕方がないが、重要なのは、フィン氏のメッセージを政府がどう受け止めるかだ」と語っています。

 フィン氏は13日に長崎市内で、安倍首相に会えたら何を伝えるかとの記者団の質問に次のように答えました。

北朝鮮核兵器が使われれば地理的に日本にも影響がある。核兵器の問題はアメリカの同盟国の中でも特に日本にリーダーシップを発揮してほしい。日本こそ唯一の戦争被爆国で、実体験者はワシントンでもモスクワでもなく、長崎・広島にいる。核兵器が使われるとどんな状況になるのか、皮膚がどのように溶け、どんなにおいがするのかわかっているのは日本人だけ。日本が核兵器禁止条約に署名してもアメリカとの固い同盟は保てる。2国間同盟は一方通行ではないはずだ。安倍首相のリーダーシップで条約参加のために国民的な議論をしてほしい。

 フィン氏の面会要求を断った安倍総理。そもそも、日本が原爆の被爆国でありながら、何故核兵器禁止条約に署名しないのか、私は不思議でなりません。政府は「日米安保の重要性」を口にしますが、日本が核兵器禁止条約に署名をしたからと言って崩れてしまうような同盟関係なら、そんな同盟などなんの役にも立たないはずです。同盟関係とはお互いにおかしいところ、正さなければならないと所はきちんとただす。お互いに忌憚のない意見が言い合える関係こそが真の同盟であり、アメリカの顔色を窺っておきながら「強固な日米同盟」なんて言うのは、あまりにもおかしすぎます。
 日本は世界で唯一の被爆国であるからこそ、世界の先頭に立って核兵器廃絶に向けた取り組みをしていかなければならないのに、なぜアメリカの核の傘に隠れようとするのでしょうか。核政策を巡っては、アメリカに対してNOを言えるくらいのリーダーシップを発揮してもらいたいです。
 今の日本政府の方針だと、最終目標は核兵器の廃絶だと言ってみても、絵空事にしか聞こえません。本気で核兵器廃絶を訴えるのであれば、まずその第一歩として、たとえ数分でもいいので、フィン氏と会って、意見を交わすことから始めるべきなのではないでしょうか。日程の都合上なんて逃げ口上もいいところですよ。
 ハッキリ言って、安倍総理の頭の中には、核兵器廃絶ということは全く頭の片隅にも存在しないのだろうと思います。頭の中にあるのは、次の総裁選で総理大臣候補に選ばれるかどうか・森友・加計学園問題をどうしのぎ切るかくらいしかないのではないかと思います。