sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

いじめについて考えてみませんか…。わたしのいもうとを読んで

 今日、書店に勤める姉に頼んでおいた一冊の絵本が届きました。それは、2015年に亡くなられた童話作家松谷みよ子さんが書いた絵本で、松谷さんあてに実際に届いた一通の手紙が元になっているそうです。その手紙は若い娘さんからだったそうです。「わたしのいもうのとの話を聞いてください」と書かれてあったそうです。娘さんはアウシュビッツ強制収容所でのことをつぶさに書いた「私のアンネ=フランク」を読んで「差別こそが戦争への道を切り拓くのではないでしょうか」と書いてあったそうです。

 この絵本の妹さんは小学4年生の時にとある町に引っ越してきたところから物語は始まります。妹さんは転校した学校で恐ろしいいじめに遭い、言葉がおかしいと笑われて、跳び箱ができないといじめられ、クラスの恥さらしと罵られ、給食を配ると受け取ってもらえなかった…。そのような壮絶ないじめが書かれています。。そして誰も口をきいてくれなくなり、学校に行けなくなってしまいました。そして体につねられた痣がたくさんあるのが発覚します。妹さんはやせ衰え、このままでは命が持たないといわれ、お母さんは固く閉じられた唇にスープを流し込み、抱き締めて抱き締めて一緒に子守唄を歌って眠ったそうです。どうにか妹さんは命を取り留めたそうです。やがていじめた子供たちは成長し、中学校・高校へと進学しますが、妹さんは部屋に閉じこもって本も読まず、音楽も聴かず、黙ってどこかを見ているだけだったそうです。振り向いてもくれなかったそうです。
 みんなが高校生になるころ、妹さんは折り鶴をおるようになったそうです。お母さんは泣きながら隣の部屋で鶴を折っていたそうです。妹さんの気持ちがわかるような気がして…。そして妹さんはひっそりと息を引き取ったそうです。

そして最後に書かれていた言葉が私の胸に響きました。
「わたしをいじめたひとたちは もうわたしのことを わすれてしまったでしょうね あそびたかったのに…べんきょうしたかったのに…」

この絵本に書かれてある一つ一つの言葉は、私が過去に経験した壮絶ないじめとも重なります。私がよそった給食は「汚い」と言われ、私が触ったものに手を触れると「腐る」と言われ、私と目が合うと「目が腐る」と言われ、気に食わないことがあれば、加害者にとって都合の悪い事が起これば殴る蹴るの暴力…。幸い私は自殺をする寸前のところで命だけは助かりましたが、この妹さんはどんなことを思いながら鶴を折っていたのだろう…。お母さんは自分の娘が虐められていると知って、どんなことを考えたのだろう。そう思うと胸が張り裂けそうでした。恐らく私のいじめに加担した加害者は、私に対して行ったことをすべて忘れていると思います。「そんなことあったっけ?」と思うかもしれません。いじめというのは、被害者の心を蝕み、心を破壊し、人格をも破壊され、すべてを奪い去っていきます。そして加害者は何事もなかったかのように過ごしているのです。被害者は一生消えることのない深い心の傷に苦しみ、加害者はのうのうと平穏な毎日を過ごしている…。あまりにも理不尽すぎませんか?
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これがわたしのいもうとの表紙です。優しいタッチで描かれた絵が印象的でした。
 この本の初版が出版されたのが1987年12月なので、7年前と書かれてあったので、この妹さんがいじめにあったのは1980年ごろなのではないかと思います。
 改めていじめということについて考えさせられた一冊でした。お子さんと一緒にぜひ読んでいただきたい絵本です。