相模原市障害者施設惨殺事件から1年

 昨年の7月26日の深夜、相模原市知的障害者支援施設「やまゆり園」で起きた、知的障害者惨殺事件から、もうすぐ1年がたとうとしています。この事件では植松聖容疑者(27)に殺害されたのは、この施設に入所していた知的障害者19人で、職員を含む27人が重軽傷を負いました
 この事件で植松容疑者は「障害者は不幸を産むだけだ。障害者がいなくなればいい」そう言って知的障害者を次々襲い、惨殺するという凶悪犯罪を起こしましたが、私は障害を抱えた人たちに対して、このような考えを持った人物もいるのだと思うと、恐ろしくなりました。障害者は不幸を産むだけ…。それはこの容疑者のきわめて個人的な思想から生まれたものだと思いますが、私は同じ知的障害を抱える息子を育てている身として、障害者が不幸を産むのは、間違った考えで、不幸を産むのは、そういった考えしか持てない人物の方だという気がしてなりません。私は息子を育てている人間として、確かに「息子に知的障害があってよかった」と思ったことは一度だってありませんが、この息子が産まれ持った知的障害は、息子の個性の一つだと思いますし、それが不幸を産んでいるとは考えたこともなかったです。
 この施設に入所していた被害者の方たちにも、いろんな未来があったはずですし、それぞれ形は違いますが、幸せな時間があったはずです。そのような大切なものをすべて無残に奪い去っていった植松容疑者の犯行は、どう考えても許されるものではありません。
 私も定期的に知的障害を抱えた人たちが集まるイベントなどに顔を出していますが、そこにあるのは、家族とのふれあいに幸せを感じている障害者の皆さんの笑顔です。決して障碍者の皆さんが不幸を産んでいるという事なんてありません。息子も音楽センターでドラムや打楽器の演奏をしている時、私と一緒に風呂に入っているとき・自分の大好物な食事が出たときなど、いろんな場面で幸せそうな顔を見せます。そういった日常の何気ない出来事の一つ一つ・その一瞬一瞬が幸せな時間なんです。一方的に障害があるから不幸しか生まないと決めつけてほしくないです。私は、息子が私の息子であってよかった。心からそう思っています。