3月11日は東日本大震災が発生した日です。今から6年前のあの震災では多くの命が奪われ、今も行方が分からない人が、たくさんいます。あの未曽有の大災害の中で生き残った人は、必死になって今まで生き抜いてこられたんだろうと思います。その中で、大人が被災地の現状について語る場面はこれまで私も数多く見てきましたし、実際に被災地の一つである仙台市若林区荒浜地区と名取市閖上地区を訪れたときも、ガイドしてくださったのは、地元のタクシー会社の方でした。
その一方で、被災した人の中には子供もたくさんいたはずで、この16歳の語り部という本は、宮城県東松島市大曲小学校5年生だった3人の若者が、子供の目線から見た被災地の様子について、自分が思ったこと、感じたこと、経験したことをありのままに語っています。当時小学5年生だった子供たちが、あの地震と、津波によって変わり果てた街や、自分が住んでいたところを見て、何を思ったのかがストレートに書かれています。
私はこれまで、自分の子供に被災地について話をするとき、大人の目線で話をしていましたが、子供たちの目線で被災地の様子について伝えることの大切さがわかったような気がします。