「判決は到底受け入れられない」美鈴さんの母親はコメントを発表し、事件の計画性を踏襲した判決を厳しく批判しました。
午前11時過ぎ、高裁201号法廷で判決の言い渡しが行われました。君野康弘被告(50)は、オレンジ色のカーディガンに灰色のスウェットズボンで入廷しました。
「被告人を無期懲役とする」。樋口裕晃裁判長が主文を読み上げると、君野被告は証言台の前で直立したままだったそうです。美鈴さんの母親は被告や傍聴席との間に仕切りが設けられた席に座り、様子はわからなかったということです。判決の瞬間、傍聴席からは、一瞬ため息が漏れたということです。
今年1月に読み上げた意見陳述によると、母親が美鈴さんの妹を保育所に送り届ける途中に小学校前を通ると、妹は「ねえねの学校」とつぶやくそうです。菓子店に寄った際は、「これはねえねの分」と話し、お菓子を一つ余分に買おうとするそうです。
母親は夜中に目が覚めるたびに「娘を守ることができなかった」と自分を責めたそうです。無力感から日常生活を送ることも辛く、定期的にカウンセリングを受けているそうです。
母親は判決の言い渡し後、代理人を通じてコメントを発表しました。「娘はひどい殺され方をして、最後はごみのように捨てられた」としたうえで、「前例だけを理由に判断を下すのならば、裁判員裁判の意味がない」と悔しさをにじませました。そして、「検察庁には上告していただき、最高裁の判断を仰いでほしい」と望んでいます。