今から7年前の2009年11月に広島県北広島町の臥龍山で島根県立大学1年生だった平岡都さん(当時19歳)の遺体が見つかった事件で、遺体発見直後に中国自動車道で事故死した当時30歳代の男が関与した疑いがあることが捜査関係者への取材で明らかになりました。男は平岡さんが行方不明になった後に撮影された画像を持っていたということで、島根・広島県警の合同捜査本部は20日に男を容疑者死亡のまま殺人や死体遺棄容疑で書類送検するということです。
捜査関係者によると、捜査本部が今年に入り、過去の性犯罪事件を調べなおす中で男が浮上したということです。
捜査本部が事件の前後の男の行動を調べたところ、臥龍山付近を車で走行していたことが判明。さらに事件後、親しい人物に「大変なことをしてしまった」と話していたこともわかりました。
また、最近になり、関係先の捜索で、男のデジカメから平岡さんの画像データも見つかったそうです。像の背景が男の当時の自宅内とも一致したそうです。平岡さんとの面識の有無については明確でなく、詳しく調べているそうです。
捜査本部によると、平岡さんは2009年10月26日夜、浜田市内のアルバイト先のショッピングセンターを出ていく姿が、店の防犯カメラに写っているのを最後に行方が分からなくなりました。
両親からの捜索願を受け、島根県警が公開捜査に乗り出しましたが、11月6日に臥龍山中で遺体の一部が見つかりました。鋭利な刃物で切断されたとみられ、首には手で絞められた痕があったということです。遺体を運ぶのに使ったとみられる血痕のついたポリ袋の一部が遺体の一部に付着していました。両県警は死体遺棄事件として合同捜査本部を設置。平岡さんがショッピングセンター近くで車に乗せられた可能性が高いとみて、不審車両の絞り込みを進める一方で、交友関係のトラブルなどを調べてきましたが、捜査は難航。12年11月、死体遺棄事件について公訴時効が成立し、殺人容疑で捜査を続けていたということです。
この事件は物的証拠や、目撃情報などが少なく、捜査は困難を極めていましたが、ここにきて大きく動いた感じがします。この事件の動機は何だったのか、男が死亡しているためはっきりとはわかりませんが、なぜ平岡さんを殺害する必要があったのか、性的暴行を加える目的だったのか、それとも衝動的に事件を起こしたのか、いずれにしても犯行の動機が分からないですね。10月も終わりになると、中国山地の山中はかなり冷え込みます。人気のないところに死体を遺棄されて、どんなに寒かっただろう・どんなにさみしかっただろう・どんなに苦しかっただろうと思うと、やりきれないですね。
