福岡県豊前市で昨年1月、小学5年の女児(当時10歳)を殺害したなどとして、殺人や死体遺棄などの罪に問われた土建業内間利幸被告(47)の裁判員裁判で、福岡地裁小倉支部は3日、無期懲役判決(求刑死刑)を言い渡しました。柴田寿宏裁判長は「刑事責任は重大で、更生も困難だが、計画性や突出した残虐性はなく、死刑が相当とは認められない」と述べました。
公判では、殺意の有無や量刑などが最大の争点となりました。判決は、窒息死するまで首を圧迫し続けたことを挙げ、明確な殺意を認めました。また、女児が被告の元妻の子と同級生だったことから、「同級生の保護者から性犯罪を受けて殺害された衝撃的な事件。誰もが許せないという思いを抱くのも無理はない」とpしました。
さらに内間被告が1996年から1999年に女児ら4人に対する性犯罪などを起こして、およそ12年間服役し、出所後は警察から定期的に連絡を受けていたことに触れ、「被告の犯罪性は根深く、更生は困難」と言及しました。
そのうえで死刑選択にあたり、「公平性の観点から判断する」として、過去の同種の事件を検討。比較した結果、高い残虐性や猟奇性は認められないとし、「死刑を科すほど、瀬明慶氏の度合いが甚だしく大きいとは言えない」と指摘。「最悪の性犯罪だが、被告の前科は殺人罪ではなく、慎重にならざるを得ない」と判断しました。
この判決に対し、遺族は「納得できない」としています。
傍聴席にいた女児のお父さんはぐっと目を閉じていたそうです。
判決理由が読み上げられる間、すすり泣く声も聞かれたということです。初公判から傍聴し続けた女児のお父さんは、退廷する被告を厳しい表情で見つめていたそうです。
女児の両親は代理人の弁護士を通じて談話を発表しました。判決について「娘は騙されて連れ去られ、命まで奪われたと認められた。被告の弁解は信用ならない。反省していないと言い切ってくれた」と一定の評価をしました。そのうえで「娘が受けた苦しみ・伊丹・恐怖を考えれば、死刑しかない。娘のためにも二度と被害者を出さないためにも、強く死刑を求めたい」と訴えています。
閉廷後、裁判員と補充裁判員4人が記者会見を開きました。60歳代の女性裁判員は「自分の身に置き換えて考えた」と振り返り、「一般的に性犯罪の再犯については、法律で厳しい罰を決めるべきだと思う」と語っています。20歳代の女性裁判員は「遺族の気持ちは計り知れず、、申し訳ない気持ちでいっぱいだが、最後まで悩み、判決にはたくさんの思いを込めた」と語り、「ご両親の思いを反映する世の中になってほしい」と話しています。
この事件、死刑の選択が正当かどうかが問われた事件ですが、私は裁判員と競技をしたうえで出した判決だとは思いますが、なぜ死刑を選択しなかったのか、疑問を感じます。
奈良で小学生が殺害された事件では、被害者は今回と同じく一人でしたが、死刑判決が下されて、すでに執行されています。私は、難しい裁判であったとは思いますが、裁判所が、幼い子供を狙った性犯罪に対しては、厳しい態度で臨んだほうがよかったのではないかと思います。