今日の読売新聞の人生案内に、娘をいじめた同級生を今も憎んでいるという内容の投書が寄せられていました。投稿者は60歳代の主婦だそうで、娘さんが中学生時代に陰湿ないじめを受けて、親子で苦しんできたということが記されていました。そして加害者への怒りや恨みが消えないという相談です。最初は3人からいじめを受けていたそうですが、それがクラスの女子全員が加わるようになり、性格が暗い・空気が読めない・のりが悪いなどと言われていたということです。小学6年生の時にお父さんを病気で亡くし、内向的になったからではないかと書かれています。
4年ほど前にようやく信頼できる医師に巡り合い、少しずつ快方に向かっているそうです。しかし、あまりに不快な思い出のため、忘れることができないと書かれています。
そして先日、いじめのリーダーが結婚して、赤ちゃんが生まれたということです。これを知ってやりきれない思いになったということです。どうやったら心穏やかに過ごせるのか。ということを書かれてありました。
それに対して心療内科医の先生は、娘さんをいじめた相手が幸せに暮らしているのを聞いて、嫌な気持ちや恨み、怒りがよみがえってしまうのはごもっともだと書かれています。しかし、恨みや怒りの感情は、とても強いエネルギーで心の活気を失わせてしまうということです。そのエネルギーをぜひ娘さんの心の回復のほうに向けていただきたいと書かれてありました。
心の傷をいやすためには、味方を作っていくことが必要なんだそうです。よいつながりを増やしていってほしいと書かれてあります。
自然や動物との触れ合い、体を動かす、部屋に花を生ける、料理を作るなど、娘さんが楽しめそうなことができる機会が増えるようにお母さんのエネルギーを使ってください。
物を書く、音楽を奏でる、絵を描く。娘さんが自分の感情を表現できることを見つけ、自信を回復なさることができればと思います。と答えられています。
私にも同じような経験があります。いじめの加害者に対しては、「俺の人生をめちゃくちゃにされた」「俺だけじゃなく、家族の人生もめちゃくちゃにされた」「俺に地獄のような苦しみを与えておいて、あいつらがのうのうと毎日を平穏に暮らしているのが許せない」そのような感情をずっと持ち続けていました。今では「相手が生きてようが死んでようが、自分には関係ない」とそう思うようにしていますが、それでも時々、フラッシュバックに苦しむことがあります。突然あの時のつらい記憶が頭の中によみがえってきて、激しい怒りや、恨み、憎しみの感情が頭の中を支配することがあります。その一方で、「もう済んだことだから、いつまでも過去にとらわれてないで、前を向いて、しっかりと自分の足で歩いて行こう」そう思う自分もいます。
ただ、今の自分はどうなのかというと、私にはやりたいことがたくさんあって、自分の好きなことに夢中になれるものがあるから、辛い過去も乗り越えてこれたんだと思います。これが、自分の生きがいや趣味までも否定され続けていたら…。恐らく私という人格は壊れてしまっていたでしょう。
この今日の人生相談に投稿された方も、お母さんと娘さんで、何か楽しいことを見つけたり、私のようにブログで文章を書いてみたり、自分の過去をさらけ出してみたらどうでしょう。きっと同じような境遇の方から、あるいは同じ経験をされた方からのアドバイスや意見も聞けると思います。
ただ、やっぱり自分を苦しめた相手がのうのうと毎日を暮らしているというのは納得できないですよね。
私は常々子供たちに言っているのが、『やがて生まれてくる自分の子供に対して、恥ずかしくない生き方をしなさい』ということです。「お父さん・お母さんは学生の頃、どんな学生だったの?」と聞かれて「いじめの加害者だった」と胸を張って言えますか?子供に対して自分の生きざまを自慢できますか?子供が自分の親に誇りを持てますか?私は子供たちにとって、目標とされる生き方をしたいと思います。