sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

児童虐待防止の特集記事

. 今日の読売新聞の解説面に児童虐待についての記述がなされてました。児童虐待で死亡(582人)した2003年度から2013年度にかけての統計を見てみると、主たる加害者は実母が320人・実父が95人・実母と実父が45人・実母の交際相手が33人実母と交際相手が16人・その他が73人となっています。

死亡実例で母親が抱えていた問題は
望まない妊娠が21.7%・妊婦健診の未受診が21.7%・若年の妊娠が16.6%・低体重が11.4%

虐待の主な動機は
保護怠慢(ネグレクト)が86人・躾のつもりが72人・泣き止まない事への苛立ちが52人・子供の存在そのものの否定・拒否が47人・精神状況が30人・子供がなつかないが11人

虐待の内容は
身体的虐待が386人・ネグレクトが154人・その他・不明が42人となっています。

死亡した子供の年齢は
0歳児が256人・1~5歳が244人・6歳以上が67人・不明が15人という結果が報告されています。

解説では厚労省が8日に明らかにした統計で、2014年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数は2013年度より20%増加し、過去最悪の88931件に上ったそうです。同時に公表された死亡事例の分析からは、母親が妊婦の時からの継続的なサポートの必要性が浮かび上がったとされています。

今日の解説での子供が死亡した具体的な例として、大阪府内で昨年9月生まれたばかりの女児が命を落としたという事件があったそうです。40歳代の母親(1審で懲役5年の実刑判決・控訴中)は、浴槽内で出産した女児を水中に放置し、窒息死させたそうです。
望まない妊娠で、家庭訪問も拒否していたという母親。検証を行った府は、「妊婦の状況やリスクを関係機関で共有することが必要だ」と総括しています。
 厚労省が03年度から13年度に児童虐待の犠牲となった582人のケースを分析したところ、半数近い256人が0歳児だったことが分かりました。虐待に実母が関与したケースが70%を占め、そうした母親が抱えていた問題は、「望まない妊娠」「妊婦健診の未受診」「10歳代の妊娠」がそれそれ22%。妊娠・出産から支援が行き届いていれば、悲劇が防げた可能性がるとしています。虐待の動機も「保護怠慢」が最も多く、子供を育てる意思が、暴力や育児放棄につながっていることがうかがえるとしています。

厚労省は妊娠から出産・子育てまでを通して相談に乗る「子育て世代包括支援センター」を設けるよう、各自治体に呼び掛けています。適切な支援のために医療機関や児相・保健所などをつなぐ役割を果たすことになっており、今年度中に150自治体での設置を目指しているようです。
 望んだ出産でも、母親が子育てに疲れてしまったり、父親が加害者になったりするケースも、児相は見逃すことなく対応しなければなりません。しかし、厚労省の調査では虐待死した子供を担当していた児相職員は、平均で109件の家庭を同時に受け持っていたことが判明しています。

日本における児童虐待防止は、あまりにも児相に依存しすぎてきたとされています。これほど多数で様々な背景を持つ虐待に対応するには、来院した子供の傷から虐待の形跡を見つけられる小児科医・児相が立ち入り調査などを行う際に助言できる弁護士など、専門家の協力が不可欠だとしています。

一方で児童虐待が大幅に増えた背景には、子供の健全な発育を阻害する「心理的虐待」を幅広く認定するようになったことも一因としてあげられています。厚労省は13年8月、きょうだいが虐待を受けたのを目撃した場合も認定するように通知し、警察も近年、両親間の暴力を目の当たりにした「面前DV」の被害を児相に積極的に通告しています。専門家の話では、親や兄弟への暴力を見て育った子供は「助けられなかった」という罪悪感で、成長してから自傷行為に走る恐れがあるといいます。また、「暴力をふるっても構わない」と思い込んで、他人に対して攻撃的になる可能性もあるといいます。
 山梨県立大学の西沢哲教授(臨床福祉学)は「心理的虐待を受けた子供とは必ず面接してダメージを見極め、カウンセリングや親への助言などの具体的な支援を行うことが必要だ」と話しています。
 しかし、関東地方の児相幹部は「身体に危害が及んでいないかどうかの確認だけで手いっぱいで、心のケアまで追いつかないのが現状」と、今の児相の状態を話しています。西沢教授は「子供を心身ともに救うためには、児相の人員を増やし、迷ったら専門医にも話を聞ける体制などの整備を急がなければならない」と訴えています。

虐待死の子供のうち、0歳からまでの乳幼児が500人に上るという数字には、正直驚かされました。毎日幼い命が親からの虐待によって命を落としていることになるわけで、この数字は尋常ではないと思います。それに望まない妊娠が主な動機だったというのも驚きました。望まない妊娠で出産して、その後の経済的な困窮や孤立無援状態がこのような悲劇を招いているのではないかと感じますが、このような悲劇を防ぐためにはどうしたらいいのか、記事を読んで考えさせられました。

もう一つ気になったのが、子供の前で両親間の暴力などを目の当たりにした子供が、成長して暴力を振るうということ。これはいじめ問題にも直結しているんじゃないかと思います。元嫁の場合、母親が父親に対して罵声・罵倒をしていたと自ら語っています。そのことが影響して成長した後も、他人に対して非常に攻撃的な言動をとったり、息子に対して殴る蹴る等の暴力を働く要因の一つになったのではないかと思いました。いずれにしても大人の勝手によって命を奪われてしまった多くの子供たちや、心に大きな傷を受けてしまった子供たち。虐待死が一日も早くなくなる日が来ることを願いながら、また、多くの心傷ついた子供たちに救いの手が差し伸べられるように願ってやみません。