sakura542gouのブログ

日々思うこと色々書いてます。今年は空と結婚し、新たな生活が始まりました。

福知山線脱線事故から10年

 今日4月25日は、死者107人(運転士1名を含む)・重軽傷者562人という、JR発足後の一番の大惨事となった、福知山線脱線事故から10年の節目の日です。
 この事故は、宝塚発松井山手行きの快速電車が、手前の伊丹駅オーバーランして停車し、停車をやり直したため、定刻よりもやや遅れが生じ、その遅れを取り戻そうと、スピードを出しすぎて、現場のカーブに差し掛かり、、大幅に制限速度を超過していたため、カーブを曲がりきれずに脱線転覆し、線路の脇に立っているマンションに1両目が突っ込み、2両目がマンションの柱に巻きつくようにして大破。三両目がマンションの側壁に衝突、4両目が進行方向が逆になる形で下り線にはみ出し、5両目もつられる形で下り線に乗り上げて脱線。このような大惨事になりました。私はこの日は有給で休みで、たまたまテレビニュースを見ていたら、いきなりこのような衝撃的な映像が映し出されて、これはただ事ではないなと思ったのが正直な気持です。
 この事故で問題になたのが、JR西日本の効率を重視した経営姿勢。数分の遅れを出したり、ヒューマンエラーを犯した乗務員に対し、嫌がらせとも言える"日勤教育”が日常的に行なわれており、この遅れの発覚を恐れた運転士が車掌にオーバーランを過少報告するように要求。その後、車掌と運転指令所のやり取りに気をとられていた運転士が、ブレーキをかけるのが送れて、このような大惨事になったということが明らかになっています。

この事故では、歴代の3人の社長が強制的に起訴されましたが、裁判では、歴代の社長には刑事責任は問えないとして、無罪が言い渡されて、検察側が上告しています。しかし、私が思うに、人間は必ずヒューマンエラーをする生き物です。そのヒューマンエラーをバックアップするシステムが、この当時取り付けられていなくて、ミスはすべて乗務員の責任と言うのは、乗務員に強いストレスを与えていたというのは明らかだと思います。
 事故現場は線路を付け替えた時に、急カーブに変更されており、速度超過で列車が進入した場合、脱線の可能性があるというのは容易に想像できたはずです。なのに、新型ATSに切り替えるなどの対応はとられておらず、事故に少なからず影響を与えたものだと思います。
 また、事故当時の車掌の事故対応にも問題があったとも思います。列車が脱線して、下り線の線路もふさがれた状態になっているというのは容易に想像がついたはずです。なのに列車防護無線を発動させること無く、沿線の住民が機転を利かせて、踏み切り支障検知装置のボタンを押して、緊急事態が発生していることを、下り特急列車の運転士に知らせて、下り線の特急列車の運転士が列車防護無線を発動させて、更なる衝突が防げたという経緯があります。なぜ快速列車の車掌は列車防護無線を発動させなかったのか、事故を起こして動揺していたのかどうかはわかりませんが、もし、沿線住民が踏み切り支障検知装置を押していなかったら、更なる衝突事故が発生し、さらに被害が拡大していたのではないかと思います。このとき、下り特急列車は事故現場の数百メートルまで接近していたほか、後続の下り列車もすぐ近くまで接近していたそうです。

この事故の教訓は、人間は完璧な生き物ではないということ。だからこそ、ヒューマンエラーが発生するという前提で職務に当たらなければならないということだと思います。この事故をどこの会社も対岸の火事として捕らえるのではなく、もし我が社で起こったら・・・そういう目つきで、従業員を職務に当たらせて欲しいと思います。でないと同じような悲惨な事故が、必ずどこかで繰り返されます。このような悲惨な事故は絶対に起こしてはなりません。

今私が思うのは、あの列車に乗っていた日と建つが、速度超過でカーブに進入し、カーブを曲がりきれずに脱線し、倒れ行く車内で、一体どのような光景を目にしたのだろうということです。一瞬のことで、何が怒ったのかわからないまま、亡くなられた方もおられるんじゃないかと思います。今私に出来るのは、亡くなられた方に哀悼の意を表することだけですが、この事故を絶対に風化させてはならない・・・そう思います。
 
 JALでは御巣鷹山に墜落したジャンボ機の機体を、羽田空港の敷地内にある整備場に保存してあるといいます。JR西日本もこの事故を風化させないようにしてもらいたいと思います。それが、事故を起こした加害企業としての責務であると私は考えます。私は鉄道が大好きだからこそ、この世の中で一番安全な乗り物であり続けて欲しい。そう願っています。