名曲、津軽海峡冬景色の歌いだし、上野発の夜行列車降りたときから~青森駅は雪の中~。この情景が見られるのもあとわずかになりました。かつては上野と青森を結ぶ寝台列車ははくつる・ゆうづる・あけぼの等数多く運転されていましたが、ダイヤ改正のたびに運転本数を減らしていき、今年3月のダイヤ改正でついにあけぼのが廃止となることが決まって、上野と青森を結ぶ寝台特急の歴史に幕を下ろすことになりました。
この列車、私は昨年の東北旅行で青森駅で見かけたんですが、北海道新幹線が開通するまではどうにかこうにか運転されると思っていたので、残念です。かつてこの列車は東北各地から上京して、頑張った人が乗車する出世列車とも呼ばれていたそうで、上野から寝台特急に乗って帰るのがひとつのステイタスになっていたようです。
あけぼの号は最初、福島から奥羽本線に入って、青森駅を目指す列車として登場しましたが、山形新幹線の工事により、経由路線が小牛田から陸羽東線経由で新庄に出て、」青森を目指す行程に変更され、更に秋田新幹線の工事の関係で上越・信越・羽越本線経由に変更されて現在に至ります。これで、定期で運転されている寝台列車というと、サンライズ・北斗星・準定期列車ともいえるカシオペア・トワイライトエクスプレスのみとなりました。
寝台特急の衰退は今に始まったことではありませんが、JRの経営努力のなさが現れているんじゃないかと思います。現にカシオペアやJR九州のななつ星・サンライズ以外は寝台特急用に車両が新製されるわけでもなく、今の時代に見合った車内設備に改善されるわけでもなく、料金が安いわけでもなく、ほとんど改善されてこなかったことが客離れの大きな要因だと思います。廃止された寝台特急の穴を埋める形で、長距離の夜行快速列車をどんどん走らせたら、青春18切符のシーズンや観光シーズンは大いにはやると思いますが、そんなこと、望めそうもないですね。もっと寝台特急が魅力ある乗り物として改善されていたらこのような衰退はなかったと思います。
定期列車として、最期の夏を迎えたあけぼの。ダイヤ改正後は臨時列車として運転されるようですが、定期列車から臨時列車に格下げされて、長く生き延びた列車なく、近いうちに正式に廃止されるものと思われます。