津久井やまゆり園襲撃事件から5年

 神奈川県相模原市障碍者施設・津久井やまゆり園に入所する利用者19人が殺害された事件から、もう間もなく5年がたちます。あの事件の惨劇は今も強烈に私の脳裏に焼き付いて離れません。殺人などの罪で逮捕起訴され、その後死刑判決が確定している植松聖被告は、「障碍者は不幸を生むだけ」という実に自分勝手な思い込みから、入所者を次々襲い、刃物で切り付け、19人もの尊い命を奪い、多くの入所者にけがを負わせ、大きな衝撃と悲しみを残しました。

 この植松被告の自分勝手な犯行動機に、私自身、知的障害のある息子を育ててきて、強い怒りを覚えました。確かに息子には障害があり、人に比べたら、できないことも多いですし、結婚もおそらくできないでしょう。それでも私は息子がいたから不幸だなんて思ったことは、一度だってありません。私にとって息子は、かけがえのない存在ですし、愛おしく思います。次男も今は離れて暮らしていますが、「兄ちゃん」と言って、時々兄弟二人が合うと、本当、どこにでもいるような仲のいい兄弟です。おそらく次男も「兄ちゃんに障害があるから自分は不幸だ」なんて思ったことは一度もないと思います。幸せかそうでないかは、一緒に暮らしている家族・当事者が決めることであって、植松被告が勝手に決めていいものでもないですし、まして障害があるからと言って障碍者を殺して言い訳なんて絶対にありえません。

 おりしも8月の終わりにはパラリンピックが開幕します。パラリンピックは世界中の国や地域から、障害を抱えながらも、懸命に努力し、4年に一度しかないスポーツの祭典に出場するチャンスを与えられたパラアスリートがやってきます。パラアスリートの表情を見ていると、障害があることが不幸なんかじゃないって教えられます。不幸なのは、障害があるら不幸だと思うその心なんだと思います。もうすぐ開幕するオリンピック・パラリンピック・そしてその開催期間中に迎えるこの事件の発生日。私は息子と一緒にやまゆり園の事件で犠牲になられた方々のご冥福を祈り、そしてオリンピアン・パラリンピアンの活躍を応援しようと思います。