全米オープンテニスが日本時間の昨日最終日を迎えて、車いすテニス部門でシングルス・ダブルスの決勝戦が行われました。男子シングルスでは、世界ランキング1位の国枝慎吾選手がイギリスのアルフィー・ヒューエット選手に6-3・3-6・7-6のゲームカウント2-1で勝って優勝しました。最終第3ゲームはデュースにまでもつれる展開になり、最後は国枝選手がマッチポイントを握って、ヒューエット選手が打ち返したボールがネットに引っかかって、ヒューエット選手側に落ちて、国枝選手の5年ぶり7度目の全米オープン制覇となりました。私は昨日のスポーツニュースでハイライトを観たんですが、長年世界王者として君臨し続ける国枝選手は、本当にすごいなと思います。4大大会すべてを含めると24度目の優勝。この優勝回数もすごいですが、何より素晴らしいと思うのが、相手選手を常に称えること。そして、何よりも常に強くなるために自分に何ができるのか考えて、実践しているところでしょうか。
車いすテニスを見ていてすごいと思うのが、車いすを操作しながらラケットでボールを打ち返して、帰ってきたボールに素早く反応する点です。車いすをこぐだけでも相当な体力が必要だと思いますが、その上にラケットを握ってボールを打ち返すんですから、相当上半身の筋肉が鍛えられてないとできないことだと思います。
そして結果だけの速報ですが、上地結衣選手がイギリスのジョーダン・ホワイリー選手と組んだダブルスの決勝戦で、マリヨレンバウス、ディーテ・デフロート選手組を6-3・6-3のゲームカウント2-0で破って優勝しました。上地選手も東京パラリンピックでは金メダル候補として挙げられるほどの実力がありますので、これからの活躍が楽しみですね。
それにしても障害者スポーツの結果って、スポーツ面にほんの小さく報道されているだけで、障害者スポーツにももっとスポットを当てて欲しいなと思います。確かに全米オープンでは大坂選手が優勝して嬉しいニュースとして、私も喜びましたが、優勝目指して毎日厳しい練習を重ねているのは健常者の選手だけではありません。やはり同じようにもっと大きく取り上げて欲しいなと思います。近年では、NHKがパラリンピックの中継をライブ放送で行うようになりましたが、民放はライブ中継など全くなしで、スポーツニュースのほんの最後にまとめて報道されるだけです。
今回の全米オープンでは黒人差別が大きくクローズアップされましたが、黒人差別と同じように、障害者差別というのもいまだに残っているんだなという感じを抱かせられました。人間には今、人種差別や障害者差別、性差別などいろんな差別が残っていて、真剣に取り組まなければならないと思いますが、せめてスポーツの報道に関しては、いろんな差別を排除して公正に、公平に取り上げて欲しいなと思います。
国枝選手・上地選手、優勝おめでとうございます。東京パラリンピックでの活躍を楽しみにしていますよ。ぜひ一番表彰台の高いところからの景色を楽しめるように頑張ってくださいね。
