1983年にヨーロッパを旅行中に北朝鮮に拉致されたまま、未だに帰国が果たせていない有本恵子さん。恵子さんのお母様である有本嘉代子さんが、先週月曜日に心不全のため亡くなられました。94歳でした。生前、嘉代子さんはなんとしても恵子さんを取り戻そうと、精力的に講演会活動や署名集めなどをされてきていましたが、拉致被害者の方自身が50代〜60代に入り、その親の方々は80代〜90代を迎えて、老いという切実な問題に直面しています。そして再会を果たせないまま亡くなられるケースが相次いでいます。小泉元総理が金正日氏と首脳会談を行って、地村保志さんや蓮池薫さんなどが帰国されてから17年になりますが、その後は一向に拉致被害者の帰国に関する事態は動きません。安倍総理は前提条件無しで金正恩北朝鮮労働党委員長と首脳会談を行いたいという発言を繰り返していますが、今のところ実現の目処は立っていません。拉致被害者の親御さんにとっては、残された時間が少ないということを考えると、日本政府はもっと強く北朝鮮に首脳会談実現を働きかけていく必要があるのではないかと思います。
先日の新聞には、誕生日を迎えた横田めぐみさんに対して、母親の早紀江さんが思いを綴った記事が掲載されていました。そこには母親の娘に対する愛情や、なかなか果たせない再会について、日本政府に対する思いが掲載されていました。なんとしても救い出したい。そういう思いが詰まった記事でした。早紀江さん自身も80代半ばを迎え、父親の滋さんは体が弱って入退院を繰り返しています。なんとしても再会が果たせるように、政府は迅速に対処してほしい。同じ子を持つ親として、切に願います。
