いま裁判が行われている、元農政事務次官の熊澤被告が起こした殺人事件。起訴された事実を認め、懲役8年が求刑されました。この事件で明らかになったのが、息子がおこしていた、母親に対する激しい暴力や、「殺すぞ」などの脅迫や恫喝などによって、追い詰められていった実態でした。息子は発達障害を抱えていたということですが、この事実を知ったとき、私も他人事ではないなと思いました。息子も発達障害とは違いますが、自閉症という障害を抱えており、息子がもしこのような暴力的なことを起こしたとき、私の力では抑えることが難しくなっていることが正直なところです。息子はおっとりした性格なため、このような暴力的なことを起こしたことはありませんが、やはり健常児に比べると、周りの支援や援助がないと育てにくいというのが本当のところです。熊澤被告もなんとか息子と真正面から向き合い、必死に立て直そうとしていたんだと思いますが、もう少し周りを頼るという考えがあれば、このような事件を起こさずに済んだのではないかと思います。確かに息子を殺したという結果は重大ですが、なんともやりきれないというか、熊澤被告を一方的に悪いとは思えない私です。
息子の事が原因で、娘さんの縁談も全て破談となり、娘さんは将来を絶望して自殺してしまったという事も考えると、情状酌量の余地もあるのではないかと思います。裁判所が被告の事件を起こすまでの事情をどのように判断するのか、注視したいと思います。
