今朝の新聞の一面に掲載されていた記事ですが、虐待の全情報を共有している・検討している・導入予定の自治体は児相を設置している全国70自治体の40%に当たる27自治体が、児童虐待に関するすべての情報を共有する「全権共有」を導入していることが、新聞社の調べで分かりました。さらに3自治体が「導入予定」か「前向きに検討」と回答しており、見逃し防止などを目的に全権共有が全国で広がっている実態が初めて明らかになりました。一方、28自治体は「事件化を恐れて保護者が相談をためらう」などの懸念から導入に否定的で、地域間で対応が割れていることも浮き彫りになりました。
今年10月~11月、児相を設置する47都道府県と20政令市、3中核市の70自治体に警察との情報共有について尋ね、すべての自治体から回答を得ました。
神奈川県や愛知県、大阪府など27自治体は「すでに導入」と回答。大阪市は2021年度に導入予定で、山梨県と堺市は検討中という事です。
08年に全国に先駆けて始めた高知県は、児童の氏名や住所、虐待の危険度などを一覧表にし、月一回警察署に提供。三重県では児相が把握した情報をオンラインで警察が閲覧できるようになっているそうです。大阪府警は、過去に起きた親のDVや児童の保護などの取り扱いがないかを確認し、児相と共有しています。
さいたま市は調査に「保護者が面会拒否した場合などに警察と連携しやすい」と利点を挙げ、群馬県も「情報共有で見逃しを防止できる」と説明しています。一方、東京都や兵庫県、山口県など28自治体は「導入の予定はない」と回答。都は「虐待してしまうことに苦しむ親が、安心して相談できるよう配慮が必要」と説明。広島市も「警察沙汰になることを嫌がって親族などからの通告が減る可能性がある」と懸念しています。福岡市は「夜泣きで近隣住民が通報する場合もあり、本人の同意を得ずに警察に情報提供することは、個人情報保護の観点から疑義がある」と指摘しています。
専門家は、「児童虐待の相談、通告件数が増えており、児相の職員数は不足している。夜間や休日にはすぐに対応できず、警察官が子供の安全確認をするケースも億、虐待の見逃し防止のために児相との連携は重要だ。しかし保護者が自発的に児相に相談するケースなどでは警察への情報提供が保護者への支援や信頼関係構築の支障になるとの懸念もある。警察の側でも捜査対象として扱うだけでなく、虐待の予防や支援につながる組織つくりや研修を進めるべきだ」と話しています。
これは私の個人的な意見ですが、私は、児相も数えきれないくらいの相談件数を抱えていて、それこそパンク状態に陥っているわけで、それで数多くの子供が発するサインが見逃され続けてきた結果が、幼い子供の命が奪われるという最悪な結果につながっているわけで、警察との連携は不可欠なんじゃないかと思います。警察も最初から事件として扱うのではなく、最初は児相からの相談を受けて、捜査対象として事件化をせずに、その後、子供の命が危ないとなったときに、始めて捜査対象にするなどと言った対応をとればいいのではないでしょうか。私はすべての案件が児相で解決できるような状態ではないと思います。児相ももっと関係機関と連携する道を模索するべきなのではないでしょうか。警察と連携して上手く行っている事例もあるわけで、警察と連携したから保護者との信頼関係が壊れるなどと言ったことを心配するよりも、どうやったら子供の命が救えるのかを真剣に考えてもらいたいです。